第10話

 あれから1か月が経過した。今日はリーフ家の婚約者と会う日だ。

 あのくそまずポーション(名前が無かったので身体増強ポーションと命名)は毎日飲んでいる。おかげで気持ち力が強くなった気がしなくもない。

 それと筋トレも始めた。本当に身体増強ポーションで強くなるのか不安だったし、力は強くなったけど動けませんでした、という落ちになりかねないからだ。まあこれのこともあって、力の強さがわからないんだけど。


「失礼します。リーフ家の方々がお見えになられました」


 過去回想している間にリーフ家がきたようだ。さっそくホールに行く。


 そこには濃い緑色の髪色をした両親と同じくらいの年齢の優し気な顔立ちの人と、前世で言うと7,8歳ぐらいの両親に似て優し気な顔立ちの少女がいた。婚約者は同い年と聞いていたので5歳なのだろう。

 濃い緑色の髪色なのは植物魔法に適性があるからだろう。ちなみに僕と家族も濃い緑色の髪色をしている。


 挨拶はほどほどに自己紹介を始めた。


「ツリー家のレイフォンです」

「リーフ家のアイリスです」


これから1週間リーフ家の相手(僕はアイリスの相手)をするのだった。





 1週間経過した。リーフ家の相手は終わった。別に何か語ることはない。ツリー家の花畑を巡ったり、勉強の内容を話したりしただけだ。突飛なことはしていない。無難に話して無難に終わらせた。


 それよりこの間あまり魔法や筋トレができなかったのが痛い。一日中やっていたことができなくなるだけでこんなに苦痛を感じるとは。

 これからはパーティーも増えるみたいで更に時間が減る。まあどっちかというと呼ぶ側なので移動などであまり減らないのが幸いだが。


 そういえばアイリスの相手をしていた時に面白い話を聞けた。来る途中に魔物に襲われたと聞いたがそれが植物系の魔物らしい。それの素材をもらったのだが普通よりも魔力が多い気がした。

 聞くと魔物素材は普通の素材より魔力を多く込めることができるみたいだ。比べると魔物素材のほうがより固く、より強い効果を発揮することができる。しかし数が足りないため重要な部分に魔物素材を使って、他を普通の素材を使っている。


 そうなってくると気になるのは大樹だ。魔物素材よりも魔力が多いためどうしてか聞くと、時間をかければ普通の素材でも魔力の器を大きくできるとのことだ。魔物素材の上位クラスと比べても見劣りしないらしい。あれだけの魔力でも上位クラスとは驚いた。


 ちなみに魔物のランクは下位、中位、上位、最上位と分かれている。ランクの基準は魔力の多さで決まるが、ランクが大きくなるほど同じランクでも魔力の差が顕著になるみたいだ。同じランクだからとなめてかかって死ぬ人も一定数いるらしい。


 まあそんな馬鹿どもはどうでもいい。要するに人間よりも魔物のほうが強い。それに伴って魔物のほうが長生きだ。どうにか魔物に転生できればいいのだが……。

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