第6話
さっそく裏庭にある大樹に背を向けて本を読み始めた。ぱらぱらとめくって読んでみるが、分類ごとに分けられているわけではなく、とりあえず1冊にまとめてみました感がある。
とりあえず気になった魔法を見ていこうと思う。
まず1番手前にあったこれ、『
例えば雑草が踏まれていればどのくらいの数がいるかという索敵に使えるし、病気にかかっていたりした時の診断に使える。
座っている芝生に使ってみると、踏まれている感覚がわかる。一応大樹にも使ってみたが病気とかにはなっていないみたいだ。なぜ一応かというと大樹が大きすぎて全体像が把握できないからだ。要練習。
そういえば僕が与えた魔力もほんの少しは大樹の一部にあることがわかった。まあだから何だというのだが。
次にこれ、『魔力伝達:
普通なら魔法は手元で使うのが一般的だ。なぜなら魔力は手から放出するのが楽だから。それに遠隔で使おうとするとそこまで魔力を伸ばさなければならないため、察知されやすく伸ばせば伸ばすほど魔力操作が難しくなるのだ。
でもこの魔法を使うと離れたところに魔力を送れるようだ。それが何に役に立つというと、遠隔でトラップを発動できたり、『
今は目視した場所にしか送れないが、熟練すると目視できない場所にも送れるようになるようだ。
実は大樹に魔力を与えるのにこの魔法を使っていたようだ。
ここまでが基本の魔法だ。これらの魔法を組み合わせて使うことが前提の魔法が多い。
例えば『魔力伝達:
植物に自分の魔力を与えて満たし、変化させる。ある特定の病気に耐性を持つように変化させたり、硬化させて固くしなやかにしたりできるようだ。
他にも魔力をため込む性質にして触れた相手が魔法を使えないようにしたり、魔法を組み込めるようにして魔法矢にしたりできるようだ。
ちなみにこの魔法を開発した人は土魔法に強い恨みがあったのか、魔力をため込む性質は植物のほうが上だ、魔法矢なら木のほうが範囲が広くなると土魔法についての罵詈雑言とともに書いてあった。
まあ今だと木と金属で魔法と物理、両方に対応した拘束具が使われているみたいだが。ご先祖様はこんな使い方はされたくなかったと思うが……。
攻撃用だと『植物操作』というそのまんまな名前の魔法があった。これも同じく魔力伝達;
使い方としては、単体だと根を使って足を引っかけたり、木を倒して下敷きにするなどだ。
ここに『植物変化』を加えると一気に凶悪になる。根の先を固く尖らせて突きさしたり、葉っぱの切れ味を上げたりして切り刻むのは序の口だ。これらに毒を含ませたり、突きさした相手から魔力や体液を吸収して植物を成長させたりしたらしい。
こんなにも工程がある魔法を使うのは難しい。逆に言えばここまでやらないと戦闘用に使えないのが植物魔法なのだろう。
他にも植物性の毒を感知する『毒感知』、一気に森を作る『樹海降誕』、森を迷路にする魔法『迷宮創造』など使えそうな魔法からどんなに魔力があればできるんだという大魔法まで載っている。宴会用の魔法や子供をビビらせる魔法まであった。いったいいつ使うのだろう?
それはそれとしてやっぱり寿命を延ばす魔法とかはなかった。自分で作るしかないけどどうすればいいのやら。まあ少なくても複数の魔法を掛け合わさないといけないのは間違いないだろうけど。どうしたものか。
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