第5話
5歳になった。あれからなんの進展もなかった。
そして今日から貴族の教えが始まるようだ。ダンスや礼儀作法、勉学が始まる。
ダンスや礼儀作法はともかく、勉学については自信がある。数学については前世で教育を受けていたし、歴史も国の成り立ちなどに不老についてのヒントが無いか調べたりしたからだ。まあなかったんだが……。
国の歴史についておさらいしておくか。絵本にあった通り邪悪な王を討伐するために、各属性の人たちが手を組んで討伐した後に作ったのが王国だ。属性は6つあり、それが3つずつに分かれる。
陰の土、水、植物と陽の火、風、生物だ。
陰と陽に分けられているが前世の陰陽とは関係ないみたいだ。
簡単に分けるなら陰が治水や農作物などの内政に対して、陽が魔物や国外に対して戦う役割だ。文官と武官みたいなものだ。
こう分けられているのも陰は戦いづらいが、陽は戦いやすいのだ。
土は金属にはじかれるし水は濡れるだけと殺傷力が足りない。それに比べて火は燃やせば簡単に傷つくし風は切ったりできるようだ。
そしてちょっと特殊なのが植物と生物だ。
植物は土と水がなければいけないし、生物も火や風、つまり熱と空気が無いと生きられないからだ。かといって下位互換なわけではない。植物は土と水を豊かにするし、生物も治療や肉体強化ができるらしい。
やっぱりちょっと生物はわからない。
肉体を強くできないのが陰、肉体を強くできるのが陽と覚えておけばいい。まあ魔力が多ければあまり関係ないみたいだけど。
それが属性がない、無属性という誰でも使うことができるやつがあるからだ。陽属性ほど肉体強化できないし、陰属性ほど操れるわけではない。そんな中途半端感じだが、魔力があるなら誰でも使えるのだ。
邪悪な王を倒したのは7人いて、無属性の王家と陰属性陽属性の6人というわけだ。
属性を知ったときはできれば生物属性に生まれたかったと思った。何せ名前的に一番不老に近そうだからだ。実際200歳まで生きた人は生物属性だったらしい。
まあ生まれ持った属性は仕方ない。どうやって植物属性で不老になるかだ。
そんな感じで勉学は問題ない。ダンスや礼儀作法もまじめにやっているおかげで評価は上々だ。そんなしばらくたった時だ、父親に呼ばれたのは。
「レイフォン少しいいか?」
「はい、お父様」
昼食を食べ終わった後に両親と歓談していたら何やら神妙な顔で言われた。いったいどうしたのだろうか?
「勉学や礼儀作法は順調のようだな」
「はい、えっと何か問題ありましたか?」
「いや問題はない。むしろ神童といわれて嬉しい限りだ」
どうやら上々などではなくかなりの高評価だったみたいだ。
「そろそろ攻撃用や防御用の魔法について教えておこうと思ってな」
「!!!」
以前教えてもらおうと思ったけどまだ早いと言われて教えてもらえなかったことだ。
「ちょっとあなた、さすがに早いのではなくて?」
「いや、問題ないだろう。レイフォンは今まで一度も問題を起こしたことがないし真面目にしているからな」
まあそれだけではないだろうが教えてもらえるのならありがたい。
「それでお父様、いつ教えてくださるのですか!?」
「少し待っていなさい、本を持ってくるから」
少しして父親が本を持ってきた。前に見た初心者用の本と比べてかなり分厚くなってる。
「これだ、言うまでもないが大切に読むんだぞ」
「はい、お父様! 行ってきます!」
そうして僕は裏庭にある大樹に向かった。
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