第4話
あれから1年が経って4歳になった。半年ぐらいは植物魔法を使い続けてようやく植物から魔力を分けてもらうことができた。
しかし微々たるものであまり回復しなかった。限界以上に搾り取ればかなり回復しただろうが、そうすると植物は枯れて死んでしまうためできなかった。
それなら大樹から分けてもらえばいいと思ったが、どうやらあの大樹は自分の魔力を周りの植物に分けて品質を向上させているらしい。それと大樹自身を生かすためにも魔力を使っている。そのせいで大樹の魔力はぎりぎりみたいで分けてもらうことができないみたいだ。
このせいで葉っぱや果実がつかないらしい。
それなら大樹を成長させるか回復させようとしたいが大樹の魔力が強すぎて意味がないみたいだ。
そのためどうにか大樹を成長させるか回復させるのが歴代領主の悲願なんだそうだ。
「まあ僕にはそれよりも大事なことがあるからそれはどうでもいいんだけど」
どうすれば死なないかだ。外傷で死ぬのもそうだけど寿命で死ぬのも嫌だ。あんな思いはしたくない。それで半年はどうにかそういう本がないか調べてみたがない。
あるにはあったが不老不死を目指した悪役の話だったりして寿命を不自然に延ばすのは悪いという認識だった。
不自然じゃない方法はあったがそれも魔力を伸ばすという方法だった。魔力が多ければ多いほど長く生きることができるみたいだ。
といっても200歳ほどまでしか生きられないみたいだ。
そうじゃない。僕は不老を目指したいんだ。200や300なんて死んじゃうような歳じゃダメなんだ。
こうして半年は大樹に背を預けて本を読んでいたがいっこうに進まなかった。わかったのは魔力が多ければ長く生きられるだけだ。
植物から魔力を分けてもらい続ければどうか考えたが、分けてもらう範囲が小さくてあまり意味がない。
「(どうにかして大樹の魔力を自分のものにできればいいんだけど)」
それが一番いいと思うのだが、そのためにはたくさんの魔力が必要と本末転倒なことになっている。
とりあえず今は魔力を成長させるために大樹に魔力を与えて空にしている。そうして魔力を回復させて成長させているが、時期に止まるのだろうなと思うと焦燥感がある。
「(くそ! あぁもうどうしたらいいんだ!)」
表面上は冷静を保っているが心の中では荒れている。こうして4歳の年はなんの進展もなく過ぎていった。
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