第3話
裏庭に到着した。そこは芝生のように草が広がっていて、花壇には花が咲いている。
何より目に付くのは一本の大樹だ。といっても枯れ果てていて枝だけになっている。しかしそれでもまだ生きていると錯覚してしまいそうなほど生命力に溢れている。
思わず目を奪われていたが気をしっかりもつ。
「いけない、魔法を使うためにきたんだ」
本には『植物魔法を使うためには』と書かれている。そういえばどうして僕の属性が植物魔法だと分かったのだろうか? まあ今気にしても仕方ないか。
まずは魔力を感知するところからみたいだ。これができなきゃ魔力を操作して魔法を使うことができないようだ。
普通なら魔力の感知が難しいみたいなのだが、たくさんの魔力をもった物を見るとわかりやすいみたいだ。その一つが我が家の裏庭に生えている大樹だ。
あの目を引き付けるような生命力だと思ったのが魔力だったんだ。そうと分かれば自分の中にある魔力を探してみる。すると大樹に比べると弱弱しいが、それでも大きいと思うのがあっさりと見つかった。
「えっとこれが魔力で……」
この魔力をとりあえず手から出してみる。すると魔力に触れた芝生が少し成長した。何も考えずにやってみたら成長したようだ。
今度は逆に小さくなるように思いながら魔力に触れさせる。そうすると小さくなった。
「おおー」
そのあと何回も交互にやってみたが少しずつ成長の幅が大きくなったように感じる。といっても2cmが3cmになった程度だが。それでも目に見えてわかる進歩のため嬉しく思う。
どうやらこれを交互にやるのが植物魔法の訓練みたいだ。そうして日が暮れるまで植物魔法を使い続けた。
これを両親に伝えるとどうやら僕は魔力がかなり多いみたいだ。はじめのうちは10回くらいで魔力切れになるみたいだが、僕はそんなことにはならなかった。
それと植物魔法の成長も早いらしい。まあこれはたくさん使い続けることができたからだろう。
明日からも植物魔法を使い続けてできることを増やしていこう。よほどの環境じゃない限り植物は生えてるから使えるだろうし、それに植物から魔力を分けてもらうことで魔力の回復もできるみたいだ。とりあえず目指すラインはここだろう。
短期的な目標もできたし明日から頑張っていこう。
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