第14話 最強はやっぱり、あの猫型ロボット説

 小鳥あるみが、お客様が小学校低学年以下のお子様にプレゼントする場合の説です。


 店頭でのお問い合わせで多いのは、本を選んで欲しいというものです。

中でも多かったのは親や祖父母から、子どもへのプレゼントです。


本を選んで欲しいというのは、難問です。

書店員のセンスを問われています。

最新のトレンドがいいのか、これから来る新しさがいいのか、自分が読んで人生が変わったようなものがいいのか。


 まずはお客様に、贈る相手の情報を聞いていきます。

相手は何歳か、性別は、趣味は、送り主との関係性といったことを聞きます。

スポーツが趣味であれば、そのスポーツを題材した作品が候補になったりします。


次に贈るシチュエーションはどういうものなのかを聞きます。

誕生日プレゼントか、合格祝いか、時には入院しているので時間つぶし用ということもあります。

入院の場合は、暗めの作品を選定から外したりします。

最後に予算感を聞いて、候補を絞っていきます。


さらにあるみには、お客様のために3つの制約を設けています。


 1つ目はエロ、グロ、暴力表現があるものはだめ。

いくらアニメや映画で人気でも、子どもに読ませたくないと敬遠されがちでした。当然ですが大事なことです。

自分が思っているレギュレーションが、万人共通ではないという意識も大事です。


以前、おばあちゃんが孫にプレゼントしたいというので、『ワン×ース』をおすすめしました。

アニメもやっているし、子どもにも人気があるし、教訓もたくさん詰まっています。

表紙を見せると、そのおばあちゃんは

「こういうのが流行っているのね。でも、ちょっと、このお洋服がね」

水着NGがでました!

そうか、国民的作品でも、そうか…

おばあちゃんから見ると、刺激が強いようでした。


 2つ目は5巻以内で完結、または単話作品。

予算感にもよりますが、なるだけ短い作品がいいとよく言われました。

しかし人気がある作品は、当然ですが長編になっていきます。

コミックで5巻以下は短めな方なので、選択肢がグッと狭まります。

4コマやギャグマンガなど、どこから読んでもある程度楽しめる作品はありです。


 3つ目はためになるような内容である。

書店員からすると、何も得られない作品は無いと思っていますが、お客様からは健やかな心の成長になる作品がいいとよく言われます。


結論、『ドラ×もん』が一番好評です。


誰もが知っている作品で、子どもが読んでも安心、映画版、完全版、特典付など種類も豊富で、大きさも値段もマッチしています。


『ドラ×もん』で納得してくれに場合は、他の作品をいくつか提示しますが、最終的には『ドラ×もん』に落ち着きます。

書店員のセンスも何もないですが、お客様が納得して購入してくれるのが一番です。


 贈られた子どもたちの反応は分かりませんが、楽しんでもらえたら嬉しいなぁ。

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