第12話 この2作品の匂いが、最強に好き
小鳥あるみの書店員の日常です。
本屋に入るとトイレに行きたくなる。
いわゆる【青木まりこ現象】と呼ばれるもの。
紙やインクの匂いで便意を刺激されてしまうという現象らしいのですが、わかりみでしょうか?
あるみをはじめ、書店員にとっては慣れた匂いなので便意を感じることはありません。
もはや書店の匂いというものすら、感じなくなります。
あるみ達はばたばた動き回っているので、自分の汗の臭いの方を気にしていました。
紙とインクの独特な匂いはありますが、作品によるといっていいでしょう!
本とひとくくりに言っても、紙質もインクもそれぞれ異なります。
その科学反応によって、時に自分の
あるみにはこっそり新刊が楽しみなコミックが2作品ありました。
講×社『彼×島』ファーストシーズンの方です。
そして集×社『GA×TZ』です。
この2作品は、紙とインクのマリアージュが絶妙で独特な匂いがします!
あるみは段ボールをあけてこの2作品が入っているだけで笑顔になるくらいに好きです。
シュリンクされてしまっているので、仕事中は匂いを堪能することは出来ません。
読む時、ページをめくると、その匂いが解き放たれます!
両作品ともベタ部分が多めなので、インクの頑張りが際立っているんだと思います。
そして紙質も、触ると普通ではないのを感じ取ることが出来ます。
匂いを堪能するのは、自分で購入した時です。
新刊発売の時は、結束を外して新品に触れることが出来るので天国です。
本を開かなくても匂いをかすかに感じることが出来ます。
ただし、カバーの質の関係でくっつきやすいという難点もあります。
シュリンカーに通す時は、1冊ずつほぐしながらやっていかないと、本がダメになってしまうこともあります。
ここでシュリンカーについて。
シュリンクとは、コミックについている透明なビニールのことです。
シュリンカーは、半自動でコミックにシュリンクをつけてくれる機械のことです。
ビニールを本に巻き付けて、高熱でぎゅっとします。
本が傷まない程度の熱ですが、気をつけないと人間は普通にケガをします。
シュリンクも維持費がなかなか高いので、企業努力が必要です。
どんどん技術が進化して、少ないビニールで効率的にシュリンクが出来るようになっていきました。
が、完全自動は夢です。
本の薄い厚いで誤作動を起こしてしまったり、本自体を傷つけてしまったり。
あるみが現役の時は、横でシュリンカーを見守ることが必要でした。
発売当時のルンバと同じです。
しっかり掃除出来ているか気になって、ルンバの後ろをついて歩いた人は多いのではないでしょうか。
今はもっと技術進歩しているのかもしれません。
大好きな本の匂いをぎゅっと閉じ込めてくれるシュリンカー。
購入した人だけが堪能出来る、新品の紙とインクの匂い。
是非、お気に入りの作品を嗅いでください。
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