『共依存』
氷室和馬は鈴木春香という好きな人がいた。春香のことを大事にしているし、それは今も変わっていない。ただ、今は少し状況が違うだけで……。
「……また増えてる……」
キスマークが沢山ついた首筋を見て溜息をつく。いつもこうだ。春香と春人が言い争いながら和馬を犯している時は必ずと言っていいほど首筋や胸元などにキスマークがついているし、それを快感として捉えてしまう自分がいる。
「……こんなんじゃ、いつか……」
春香も春人も独占欲が強い。今はこの程度で済んでいるが、いずれもっとエスカレートしていくのではないかと思ってしまう。
そんなのでは駄目だ。二人が和馬に依存しているこの状況は駄目なのだ。世間的にも、精神的にも、肉体的にもよくないはず。
……なのに、春人と春香に求められることが嬉しいと思ってしまう自分もいて……。
……もう引き返せないところまで来てしまっている。後悔したところで遅いし、それに――。
「俺も依存してる……」
二人が和馬に依存しているように和馬も春香と春人に依存してしまっていて、二人に求められたら拒否出来ないし、むしろ、喜んで受け入れてしまっている。
それが駄目なのは分かっていても、どうしても止められない。だって三人でしているときは二人から愛されている気がして、幸せだと感じるから。
きっと他人に知られたら気持ち悪いと思われるかもしれない。実際、父親にそう言われた。『気持ち悪い』って。身内ですらそうなんだから他の人からすればもっと酷いことを思われても仕方がないと思う。それでも……。
「……俺は」
三人でいることをやめたくない。でも、このままではいけないことも分かっている上で三人でいたいししたい。もっと自分を求めて欲しい。もっと求めたい。もっともっともっともっと……
欲求が抑えきれなくていく。すっかり調教された身体をどうすることも出来ず、今日もまた三人でやるのだった――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます