幕間02話 シュア01。

「……シュアってさ、実は結構マゾだよね?」

「……不躾ですねアイヴィス様。少なくとも覚悟を以て夜這いにきた女性に向かって贈る言葉にしては、少々酷過ぎると思いますよ?」

「でも、こういうの好きでしょ? わざわざ指定のメイド服で来たうえに、ガーターベルトまで着けてきてくれるなんてね」

「はぁ。命令されたので、仕方なく」

「ふーん。でも、それにしては興奮してるよね? その狐耳と狐尻尾を見れば、大体分かっちゃうんだけど」

「――ッ⁉ これは、その。主人に会える喜びとか、そういうものなので」

「へぇぇ。シュアちゃんってば私に会えて嬉しいんだ。へぇぇ」

「……アイヴィス様の、いじわる」


 むむぅ。うちが今日こん日に向けてどれだけん覚悟ばしてきたかも知らんくしぇに、やっぱりアイちゃんな意地悪ばい。


 そりゃアイちゃんのことは当然好いとーし尊敬もしよーし今夜が待ち遠しゅうてドキドキしっぱなしやったばってん、しゃっちがそれば指摘するとはノンデリが過ぎる。


 本来ん目的であるストッキングんズレ防止ちゅう理由以外にも暗器ば隠し持つと有用やけんと判断したガーターベルトも、流石にえっち過ぎるとか言われたら恥ずかしゅうて普段外してしまうとも当然ばい。


 ……心から残念そうにしとったけん、こげん形でも見しぇれたことはうれしかばってん。


 ばってんやけんて言うて、そげんいやらしか目で見らんでくれん! なんちゅうかそん、身体と心がむずむずしてしまうけん!


「シュア。いつまでそうしてるつもりなの? ほら、こっちに来なさい」

「……は、はい」

「ふふっ。そんな怯えた顔されると困るよシュア。……虐めたくなる」

「—―ッ⁉ あ、アイヴィス様。お言葉ですが、少々趣味が悪いですよ」

「むむぅ。私からすればそそられる仕草をするシュアが悪いと思うのだけど、確かに褒められた性癖ではないかも知れないねぇ?」

「……お分り頂けたようで、何よりです」

「でもだーめ。真面目で従順かつクールなシュアちゃんに対して湧く私の愛欲って、とことんまで辱めて可愛がることみたいなんだ。ごめんね?」

「—―あ、あああ、アイヴィスさ、ま……?」


 ――か、かかか、顔が良かっ! あいらしすぎるっっ! そして、ばり近かっっっ‼


 ふわぁぁぁっ⁉ そげん優しゅう頬ば撫でんでアイちゃん! むずむずが止まらんくなってしまうけん~!


 は、はうぅ。なしてやろう。今んアイちゃんに見つめらるーと足がガクガクして、今にも倒れそうになってしまう!


 それになんかお腹ん奥がキュンキュンなって切なそうに悲鳴上げとーし、一体うちゃなしてしもうたっちゃろう?


「……あれ? ふ、ふふっ。シュアちゃんったら、まだ言葉で攻めてるだけなのに、もう興奮しちゃったの? ……可愛いなぁ」

「—―こ、興奮なんて、しとらん! へ、変なことゆわんでくれんっ!」

「ふーん? シュアちゃんったら認めないんだ? それじゃあその太腿からツーっと垂れてるそれって、一体何なんだろうねぇ~?」

「—―ッ⁉ こ、こここ、こりゃそんっ! お、おも、お漏らしやけん!」

「……へ? —―ぷはっ! く、くふふ……あははははははっ!」

「—―あ、いや違う⁉ そん、お漏らしでものうて。そん、あん……」

「や、ごめんねシュア。……くくっ。あまりにも可愛くて、ふふふっ」


 わ、うちってば一体何ば口走って! ち、違うけんねアイちゃん! うち、こん年になってお漏らしなんてじぇったいにしぇんし、勘違いやけんっ!


 ちょ、もう何っ⁉ アイちゃんに振り回しゃるーんなんていつもんことなんに、なしてこげん動揺しとーと?


 それに何でっ⁉ 生理終わったばっかりやけんおりものがこげんあふれてしまうんなおかしかし、うちん身体、ほんなこつどうなってしもうたと? と、とと止まりそうになかっちゃけどっ!


 あっ⁉ ちょっとアイちゃん、どしゃくしゃに紛れて胸ば触らんで! ちょ、え? 力強っ! いっちょん振りほどけんっちゃけどっ⁉ あ、ボタン外しゃんで? 下着ば上にずらしゃんでっっ!


「……良いね、凄く綺麗だ。敢えて胸部だけボタンを外すことによって露になる白く大きく形も良い乳房と桜色の可愛らしい乳頭が、メイド服という日常からひょっこりと顔を出すこの背徳感こそがまさに、至高だね」

「—―ッ⁉ あ、あああ、アイちゃんな変態ばいっ! 最低! 馬鹿っ! こんすけこましぃ~!」

「あぁ、良いねその恥ずかしそうな顔。くしゃっと歪み悔しそうにしてるのに、どこか期待しているような瞳をウルウルとさせて。えっちすぎる」

「う、ううう、うち! そげん顔しとらん! 期待もしとらんし! た、ただただ恥ずかしゅうて、ばってん逃げられんけん我慢しとーだきゃあいっ!」

「図星突かれて狼狽えるシュアちゃん可愛いっ! ごめんね? ホントにごめんって思ってるんだけど、どうしても虐めたくなっちゃうんだよね」

「はぅぅ。ちょ、アイちゃんこそそん顔と目ば止めて? そげん風に見られたらうち、ドキドキして何にも考えられんくなってしまうけん! あ、触るともダメ! ら、らめだってばぁぁ……」


 きゅうぅぅぅんっ⁉ ちょ、そげん先端ばっかり弄らんでよアイちゃん! あ、ああ。も、もう少しで達しぇそうやったとに急に優しゅうしぇんでぇぇ。


 い、意地悪過ぎる。もう少しやったとにぃ! ば、ばってん焦らしゃるーん好きぃぃ! は、はがいかとに……ばり好きなんぉぉぉっ!


 へ……ぇ? ちょ、ちょちょ待ちんしゃいアイちゃん! な、なして腰ば屈めると? そげん下から嘗め回しゃるーごと視姦しゃれたらうち、いってしまうっ!


 そ、そげん真剣な目で見つめんで? ……あぁ、もしかしてまた命令すると? うちが逆らえんことば良かことに、またえっちな命令するんやろう?


「シュア? その必死に抑えてるスカート、捲って私に見せなさい!」

「……い、嫌やて言うたら?」

「無理やり捲って弄り倒したあと……蹂躙する」

「—―ッ⁉ わ、分かったけんそげん目で見つめんで……」

「良い子だシュア。ラヴちゃん然り、私に従順なところが本当に可愛い」

「……うぅ。は、恥ずかしすぎて、死んでしまいそうばいぃぃぃ……」

「わわっ、凄いね! セクシーな黒のショーツがびしょびしょになっちゃってるよ? ほら見てシュア、こんなに糸引いちゃって……えっちだぁ」

「み、見しぇんでくれんアイちゃん! そ、それに普段はこげん際どか下着なんて履いとらんけんねっ!」

「嬉しいな。私が喜ぶと思って選んでくれたんだ。ありがとう、シュア」

「い、いえ。喜んで頂けたなら幸いで――って、そげんこと言いながら脱がしとーっ⁉ あ、あぁぁっ! そこはほんなこつ触っちゃやつ、つまらんけんっ! —―んぁっ⁉」


 あぁ、あぁぁっ♡ か、身体が……全身が喜びで震えよー! あ、アイちゃんの命令が気持ち良すぎて無理ぃぃぃっ!


 は、恥ずかしかとに! 情けのうて悔しゅうて切なかとに! 気持ちようて幸しぇで脳が蕩けてのうなってしまいそうになってしまううちば許してくれんお母様ぁぁぁっ!


 あぁ。そこはつまらんっ! 変やなかかな? つるつるは好みやなかって言いよったけん残したけど……。


「……はぁぁっ。本当にシュアは可愛いなぁ。これ、私のために整えてくれたんでしょ? ガーターベルト然り、メイド服然り。性癖に刺さりすぎて私、理性が飛んじゃったなぁ……えいっ!」

「へ……ぇっ? あ、あのアイヴィス様? どうして押し倒すのですか? そ、それにこのような犬のような態勢にされて組み敷かれたらその、まともに抵抗も出来ないのですが……」

「ふむ。最初だから優しくしようと思ったのだけど、やめることにした」

「あ、あああ、アイヴィス……様? そ、その”牛刀”のようなに、肉棒は一体、な、ななな、なんなのでしょうかっ⁉」

「無論、イチモツだが? ……ほう。初心だとは思っていたが、まさか見るのも初めてだったとは……そそるじゃねぇかっ!」


 —―ひぎゅぅぅぅっ⁉ か、硬うて太うて、あっついんぉぉぉっ⁉


 あ、あああ、アイちゃんっ⁉ い、いきなり入るーなんて、貴方様には慈悲ちゅうもんな無かっちゃかっっ⁉


 ……あ、やだ。こっちんアイちゃんも凛々しゅうて逞しゅうて、格好良かっ!


 って、言いよー場合じゃなかとです! 睨んでみたは良かもんの余計に喜んでおらるーようばいし、正直余裕がなかとですっ!


 こ、こんままでは壊しゃるー! ていうかうち、もはやどうにもならんかも知れん! 事実痛かどころか心地良うなってきてしもうたし、心臓がバクバクいっとって真面まともな思考が出来ん……。


 ふふっ。おおかたうちゃもうここまでんようばい。……ら、ラヴィニス。後んことは、あんたお任しぇした、ばい……。

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