3章
3-1 鯨と鰯
華々しいトランペットの音とともにオールポート市長が壇上に登ると、招待客たちは話を止めて一斉に顔を上げた。オールポート市長はすでに千鳥足寸前という様子で、軸は定まることなく常に前後左右に揺れ動いていた。顔は立派な赤ら顔でその手にブランデーのボトルが握られていないのが不思議なくらいだ。
「お集まりの紳士淑女諸君! このような良き日にこうしてあいまみえることができて心から嬉しく思いますぞ! さて皆さまのほとんどは、今日ここで発表されるとある重大な事柄について、すでに事細かな詳細までご存じだとは思いますが……何にせよ。まずは通例通り我が国の華々しい建国の歴史から語るのが良いでしょうな!」
ああ、やっぱり始まった! アメリアは露骨に嫌な顔をしてため息をついた。
オールポート市長の長話は、まずこの国の設立から始まり、次に聞いたこともないような女王の名前や戦いや国名なんかが延々と続く。しかも市長は自分がその苦難をあたかも体験して実感したかのように毎秒に力を込めて話すものだからこれぽっちも話が進まないのが常だった。淑女はもちろん市長の話なんてはなから耳に入っていなかったし、流石の紳士たちもこれにはお手上げで誰も口を挟むことなんてできず、ひとたび話が始まれば右も左もまじめくさった顔で床を眺める以外他にないのだ。そしてようやく聞き覚えのある単語が耳に入ってくるようになっても終わりはまだまだ遠い。その頃になればオールポート市長の中で一年が経過するのに十五分はかかったし、少しでも政治や戦争の話になれば脱線して、事あるごとに聴衆の中から反論が飛んだり即席の討論会が開かれたりするのだからたまったものではない。生き生きとしているのは男たちとジョージアナとメアリーくらいのものだ。メアリーは政治の話なんてまるでわからないというくせ「これほど立派な人たちがこの国には大勢いると思うと嬉しくて」と、言いながら毎回感動の涙を流した。
「わたしの涙はそんなに安くないけどね。本当によくわからないわ。一体こんな話の何が楽しいんだか!」
例によって例のごとく、アメリアは十分も経たないうちにつまらなすぎてなんだかすごく眠たくなり必死に欠伸を噛み殺していた。それは他の娘たちも同様で、皆つまらなそうに鏡面磨きの床を眺めている。
「ああ、いい加減終わってくれないかしら。そういうのは男性だけの集まりで話せばいいじゃない。わたしは政治の話なんてどうでもいいし、婚約発表だってどうでもいいのに。でもこの退屈な話が続くくらいならさっさと発表してくれたほうが何百倍もマシだわ。一体いつになったら踊れるの?」
退屈なアメリアとは対照的に、ジョージアナは随分楽しそうで休むことなく文句を呟いている。
「オールポートさんったらまた間違えてるわ。あの人、清がどこにあるのか分かってないのよ。その説明だとちょうどアメリカの辺りになるってわからないのかしら。それに東インドだってまるでこの国と陸続きみたいに説明するじゃない。ついでに年代も五十年はズレてるし……」妹の嬉々とした声はアメリアをいっそうげんなりさせた。それからさらに三十分は長々と話が続き、ようやく解放の光が見え始めたころにはアメリアはもちろん他の淑女たちもすっかり疲弊しきっていた。
「そして今日! 愛国の紳士たちとうるわしの淑女が住まうこの国に、新たなる良縁が結ばれたのです!」淑女たちはハッと顔を上げてここ一時間で最大の集中を見せた。それに気を良くしたのかオールポート市長の声はクレッシェンドで大きくなり、会場のボルテージを底上げしていく。
「ご紹介いたしましょう! ――ディラン・エドワーズ」
会場は大いに沸き立ち、大歓声の中で渦中の人は丁寧に一礼した。それは少し優雅すぎるくらいで、アメリアからしてみれば少し気取りすぎだったけれど決して悪くはなかった。何しろオールポート市長のうんざりする声をもう聞かなくて良いのだから、たとえそれがどんなに趣味の悪いお辞儀でも誰だって拍手で迎え入れただろう。それにしたって拍手が通常のそれよりもかなり長く続いたのは、その御方の並々ならぬ容姿やいくつもの過激でロマンチックな噂ありきのものだ。実際、オールポート市長はこの騒ぎを静めるのに相当の時間を費やした。
「どうか静粛に! ええ、ええ、祝福の気持ちはわかりますとも! さぁ、落ち着いて! 静粛に――!」市長の額には汗が伝い、どれほど力強く声を張り上げようとこの大歓声を前にしてはなす術がなかった。アメリアは二人に対して投げやりな拍手を送りながら、壇上のオールポート市長に冷ややかな目線を向けた。オールポート市長は肩で息をして、リネンのハンカチで汗を拭いながら暴れ馬のような聴衆を困り果てて眺めている。「市長さんも山羊みたいな顔で眺めてないで、早くこの騒ぎをおさめてくれればいいのに。この場をあおったんだから静める義務があるはずだわ」
アメリアは会場を覆い尽くす熱狂とは全くの無縁だった。メアリーのように心の底から二人を祝福できる優しい心は持ち合わせていないし、騒ぎ立てる娘たちのようにあの男に心酔する気にもなれそうにない。むしろ犯罪者が不当に国民に支持されるのを目の当たりにしたかのような不愉快が心の中を食い荒らし、はらわたが煮えくり返った。
拍手をしているのは――もっとも、まばらすぎて拍手と呼べるか定かではないけれど――あくまで礼儀からで祝福の心はどこを探しても見当たらない。これ以上拍手を続けたらいい加減腕がなくなってしまいそうだったし、この腕の異様な重さは翌日の激痛を思わせた。手のひらの感覚はとっくの昔になくなって痺れたようになっている。アメリアは熱狂の渦に揉まれながら惜しみない拍手を送られる二人に退屈な視線を投げつけ「早く終わらないかしら」と小さくつぶやいた。
そのとき――まるでそのつぶやきが聞こえたみたいに――不意にディランと目があい、アメリアは間の悪さに苛立って奥歯を強く噛みしめた。どうやらその黒い瞳は相変わらず全てお見通しらしい。「どうしてわたしが見られたくないところばかり見てくるのかしらね。この件に関してもあとで何か言及があるかしら? 何しろわたしがイライラしているのが楽しくてしょうがないみたいだし」と、アメリアは彼の楽しそうに細まる瞳と柔らかな笑みを浮かべる口元を分析した。だからといって今更とりつくろって偽りの熱狂を身に宿すなんてアメリアには到底無理な話だった。そもそも、本人に自分の退屈と心の内がばれているのなら一体このおざなりな拍手になんの意味があるのだろう? それならばいっそのこと、胸中をさらけ出してやりたいように振る舞った方がずっといいに決まっている。そんなわけでアメリアは辛うじて動かしていた両手もすっかり脱力させてせめてもの抵抗をしてみせた。この会場で両腕を必死に動かしていないのなんてアメリアくらいのものだったけれど、それが一体何だというのだろう。アメリアにとってはこの会場でマイノリティーになるよりも、あの憎たらしい男に一本食わせる方がよほど重要だった。けれどどうやら相手は手強くて年長者の余裕を崩そうとしない。
ディランはそんなアメリアをみて機嫌を悪くするどころか吹き出して笑った。
「彼女は相当自分の心に素直だな」
それからディランはアメリアに目配せすると肩をすくめ、右手を高く上げるとそれを優雅に動かしオールポート市長を指し示した。まるでその動作は二百人を超える大所帯のオーケストラの指揮者みたいだった。たったそれだけの動作で、大混乱にあった観衆はハッと市長に視線を戻し、まるでこれからとんでもなく重要な話が始まるような気さえして息を殺して市長の言葉を待った。
彼の動きはなにか人の注目を惹くものがあって、市長本人ですらこの壇上に誰か別の、自分よりも地位が高い人間がいるのではないかと感じるほどだった。オールポート市長は間抜けな表情でしばらく辺りを見回し、紳士が指し示した人物が自分であることを思い出すと堅苦しく咳払いをして話し始めた。あるかなきかの威厳を保とうと努力しているものの、ディランのあとに見てしまえば市長もくたびれた老人に過ぎず、目をみはるものなんて何もなかった。
「皆さまの歓迎の気持ちはしかと理解しましたぞ! ええ、つまりどうでしょう! 歓迎と祝いの意を込めて最初のリールをお二人に踊ってもらうというのは! 本来はそんな予定はありませんでしたが……先ほどの大歓声を思えば誰も異論はありませんでしょう! さぁ、どうです!?」
オールポート市長は赤ら顔でサルーンをぐるりと見回した。大抵の淑女はきゃあきゃあと友だち同士でじゃれ合いながらも是非もなくと頷いていたけれど、その中でオールポート市長はアメリアの今にも爆発しそうな不満顔を見つけて慌てて目を逸し、異議申し立ての時間はさっさと終わらせたほうが良さそうだと判断して長い演説を締めくくりにかかった。
「善は急げと申しますし、麗しい淑女の皆さまも退屈で飽き飽きしていることでしょう。さぁ、道をあけて……どうかお二人も遠慮なさらずに! なんと言ったって今日の主役はお二人で決定しているんですからな! それでは皆さま、盛大な拍手を!」
合図と共に割れんばかりの拍手が響き、しっかりとした地盤までも揺るがして建物全体が歓喜に打ち震えた。アメリアはそんな歓声の中、一人でさっさと壁際に移動して上質なソファーに体を沈めた。人の名声なんて心の底から興味がないし、ましてやアンナがもてはやされているところなんて見ても楽しいはずがない。豪華なオーケストラが二人のために音楽を奏で始めると、アメリアはドレスの裾を整え、聞き覚えのある楽曲を鼻歌まじりになぞり幾分か機嫌を良くした。たしかに今日はむかっ腹の立つ出来事が多いけれど、この素敵な曲は一ヶ月も待ち望んでいたのだから。
曲が始まるとアメリアの周りにはあっという間に数え切れないほどの紳士が集まった。男性だけを数えるのなら、二人の踊りを眺める人よりもアメリアに視線を送る人の方が多いくらいだ。アメリアは自分をとりまく男たちを見つめて満足げな笑みを浮かべた。
幸運にもアメリアの近くを陣取ることに成功した男たちは彼女を近くで見つめ、あれこれと話を振る特権を抱きしめた。惜しくも遠巻きから見つめるだけの紳士たちは歯がゆい視線を絶えずよこし、どうにか会話に混じろうと機をうかがっている。そして誰もがうらやむ一番の特等席――アメリアの隣――にはリック・アボットが座っていた。普段ならば遠巻きで見つめることしか出来ない彼がこうして特等席を陣取れたのはまさに奇跡といってもよく、普段から会場の端の方で縮こまっていたのが幸を奏していた。
リック・アボットは決してハンサムではなく、むしろどちらかといえば鈍臭くてパッとしない男だった。顔のパーツ自体は悪くないのだが、本人の卑屈な思考が顔つきにありありと表れてその全てを台無しにしていた。着ている服も上質なものだったけれど、サイズが合っていない上に長いこと買い替えていないから生地がよれてどこかだらしなくみえる。その上、リックは極度のあがり症で、特に女性の前では口数がうんと少なくなった。性格は生真面目で凡庸、それから不思議なことに大切なところで決まって失敗するという稀有な性質がとにかく人生の邪魔をしていた。そういう数々の性質からリックに求婚された歴代の女性たちは眉をひそめて「あなたみたいな方に求婚されるなんてわたくしも安く見られたものですこと!」と立腹し、リックの自尊心はほとんどすり減って卑屈なまでになってしまった。
そんな自分が今こうして社交界の花たるミス・スレイターの隣にいるだなんて……。リックは紳士たちの嫉妬混じりの視線に怯えながらも恍惚として憧れのアメリアをまじまじと観察した。白い肌は近くで見ると絹よりもきめ細やかで、唇はふっくらとして憧れを抱かずにはいられない。ガラス玉のような瞳は透き通り、リックはその色味がモスグリーンよりもアイビーグリーンに近いと初めて気がついた。それにしたって女性――特に素敵な女性――はどうしてこうも絶えず甘い香りをただよわせているのだろう?
「ミス・スレイター……その……」リックは思わずアメリアに話しかけたが、続く言葉は特に思いつかなかった。女性を前にするとどうしても何を話して良いのかわからなくなってしまうのだ。しかしアメリアは残酷にも優雅に踊る二人から目を離して「なぁに?」と急かした。リックは慌てて話題を探そうと周囲を見回して、本日の主役の一人であるディラン・エドワーズに目をとめた。そして妹のエマが一ヶ月も前からその人についてあれこれと楽しげに話しているのを思い出した。何だか分からないが、女性はそういう話題が大層好きらしい。それにこの一ヶ月というもの、エマの語る噂話の数々をずっと隣で聞かされてきたものだからその内容もはっきりしている。話題に事欠くリックが飛びつかない理由がなかった。
「とても立派な人ですね」
「ええ。とても"ご立派"だわ。本当にね」アメリアはドレスにしわが寄るのも気にせずに不貞腐れて頬杖をついた。視線の先には華麗なダンスを披露するディランとアンナの姿がある。ええ、ご立派ですとも! このわたしを馬鹿にしてまるで相手にしないくらいには! リックはアメリアの不機嫌にはまるで気がつかず、同意が得られたことに喜々としてこの話題を続けた。
「僕もいろいろな噂を聞きました――えっと、その、エマがずっと話していたので。なんでも広大な土地の持ち主らしいですね。たしか……リヴァプールの方には一万エーカー〔40平方キロメートル、東京ドーム870個分〕もある大豪邸があるとか……」
「ええ。そうね、それで年収がおいくらだったかしら? そんなこと心底どうでもいいけど」
「エマは三万と五千ポンドだって言ってましたよ」
先ほど娘たちから聞いたときよりも五千ポンドも値上がりしているのは気が付きようもなかった。何しろアメリアは今やリックの話なんて半分も耳に入れていないのだから。
「それに乗馬と狩りでは右に出るものがいないとか……えっと、それからダンスも」
アメリアはじっと話題の人を見つめ、渋々ながらも「そうみたいね」と認めた。ディラン・エドワーズはたしかに踊りの名手だった。
別に一緒に踊っているわけでもないのに見ているだけで心臓が高鳴って、アンナの細長い指先がディランの骨張った手に包まれる度に思わずハッとして自分の手の安否を確認せずにはいられない。どうやらそれは他の淑女たちも同様らしく、皆一様に顔を赤らめ、アンナを自分に置き換えて悦に浸っているのが手に取るようにわかった。
「それから――」
「ちょっと静かにして」アメリアの怒気を含んだ声にリックは萎縮して真面目くさった顔で自分の指を見つめた。きっとまた何か気に障ることをしてしまったんだ……でも一体何が気に障ったんだろう? 何しろ、さっきまでは気さくに応対してくれたのに――と、リックはアメリアをおずおずと観察した。緑の瞳はじっとディランとアンナに向けられている。「きっと、ミス・スレイターは二人の踊りを鑑賞したかったんだろう。考えればわかりそうなことじゃないか! 他の女性だってみんなそうしてるし――女性にとっては結婚も婚約もすごく嬉しいことなんだから、友だちとして感動にひたらせてあげる時間くらい設けるべきだったんだ」的外れな反省を余所にアメリアは二人を観察し、一人物思いにふけっていた。
「たしかにダンスはお得意みたいだし、容姿もいいけど……でもそれだけよ。あんな男、紳士の風上にも置けないわ。ちょっとつまずいただけだっていうのに、まるでわたしが淑女じゃないみたいな扱いをして……! こんな不当な扱い初めてだわ!」アメリアは先ほどの一連の流れを思い出して唇の端を歪めた。「もしもあの不遜で傲慢な男をわたしの足下にかしずかせることができたらどれだけ気持ちがすっきりするかしらね! そうなったら散々焦らしてから、二度と女性に手を出そうだなんて思えないほどこっぴどく振ってやるのに! ……それにしたって、一体どうしてわたしの魅力が通じなかったのかしら? 今だって、これほど沢山の取り巻きがいるし、わたし以上に素敵な女性なんて存在しないはずなのに……」
アメリアはしばらく考えこんで、それっぽい答えを導き出した。
「そうよ、きっとあのときつまずいたからに違いないわ。それでわたしが普段から使用人みたいにバタバタ走り回ってる品のない女だと思ったのね。あーあ、本当に失敗した! でもいいわ、あのくらいのミスすぐに挽回してみせる。そして絶対にわたしの足下にひざまずかせてみせるわ――そうでもしないと満足できそうにないもの。あの人だってわたしがどれほど多くの男性に求められて、どれほど可愛らしく微笑むのかを知れば黙ってはいられないはずよ。いつだって隣の芝生は青く見えるものだし、それに今までわたしの輝きを前にして正気を保てた人なんて存在しないんだから。でもそれにはまずわたしに視線を向けてもらわないとね。幸いにもここにはいっぱい撒き餌があるし」アメリアは唇の端をきゅっと持ち上げ、リックに向き直ると愛らしくえくぼを強調してみせた。
「ところでリック、さっきからずっと言おうと思ってたんだけど……グランドツアーから帰ってきてなんだかすごく素敵になったみたい! それからウィンストン、その服、新しく仕立ててもらったやつでしょう? ねぇ、エイデン、何の話してるの? わたしだけ除け者なんてずるいわよ」
四方八方に笑顔を振りまき、遠くから見守っていた紳士たちにも目を伏せて魅惑的な微笑みを浮かべた。それに忙しくて会話はほとんど耳に入っていなかったけれど、当たり障りない相槌をうてば紳士たちは水を得た魚のようにあれこれと話を始め、その賑わいに誘われるように取り巻きは徐々に数を増やしていく。
「きっとこの賑わいにはあの人も関心を寄せずにはいられないわよ。誰だって楽しそうな会話には自然と聞き耳を立ててつま先が向いてしまうものだもの」期待を込めて緑の瞳をちらりと持ち上げ、アメリアは何度もディランをこっそりと観察したが、予想に反してこちらを気にする素振りは見られない。その割に大きめの釣り針には狙ってもいない男たちが次々とひっかかり、今やアメリアの取り巻きは元の二倍にまでふくれあがっていた。
ふるわない成果にむくれ、次々と集まる紳士たち全員に明るく振る舞うのもうんざりしてきたころ、オーケストラの演奏が不意に小さくなった。主役二人だけの独壇場がついに終わりを告げたのだ。壁際でうっとりとしていた淑女たちも意中の人に手を引かれ、続々と中央に踊りでていく。アメリアを取り囲む紳士たちが一体この中から誰が選ばれるのかと固唾を飲んで見守る中、アメリアだけは自分の思考に夢中だった。
「ちょうどいいわ、この集まりももう解散よ。気分は良いけどうるさくてかなわないし、何よりあの男が引っかからないっていうのならこんなことしていても仕方ないもの。それにこんな遠い場所でにぎわうよりも、近くでわたしのダンスとか微笑みとかを見せた方がよっぽど効果的に決まってるわ。きっとあの人、わたしがどれほど可愛くダンスを踊るか知ったら驚きのあまり声も出ないでしょうね」
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