第11話 172センチ、55キロ
アタシの身長は172センチ。体重は55キロ。豆乳のお陰で、ここまで体重が増えた。前はもっとガリガリで、女の子としての魅力に欠けていた。
事務所の吉田さんも
「もう少し体重増やした方が、メリハリが出て良いと思うけどな」
と言っていた。
昔と違いただの痩せたモデルでは通用しなくなった。
下着を買う時も、いつもA80のブラジャーしか合わなくて、すごいコンプレックスになっていた。
アンダーは合うけど、いつもカップがガバガバで、パットを入れたり、美容外科でヒアルロン酸注射を胸にしてもらっていた。
そこでアタシは考えた。
一度モデルを休み、思いっ切り太ってから、バストだけ残し、ダイエットしようと思った。
吉田さんは
「一度休むと復帰は難しい業界だぞ。それでもいいのか?」
と心配してくれた。アタシは
「もっと魅力的になりたいんです!」
とお願いした。
「まあ、今まで水着撮影とか避けてきたからなぁ。胸が小さいのは確かにネックだ。よし、分かった。1年休みをやるから、その1年間で体を作れ。失敗は許されないぞ」
「ありがとう、吉田さん!」
こうしてアタシは、魅力的な身体になる為に一度太ることにした。
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