第33話 変貌


 第一王子が第二王子を殺害した。

 第一王子は第二王子が反乱を企てたとして主張したが、国王には認められず、第一王子も斬首刑に処された。

 残る第三王子だが、道楽息子として名が知られている始末だ。


「どうして俺が……」


「殿下しか残っていません」


「兄さん、なんて事を……」


 国民が第一王子と第二王子の喪に服す中、第三王子は部屋に閉じこもり続けた。

 そこから第三王子は変貌を遂げる。国民の声に耳を傾け、持ち前の明るさで不満を解消していった。国王も目を見張る程に。

 しかし、第三王子も病に伏してしまい、二度と立ち上がる事は無かった。

 人は誰でも変わる事が出来る。第三王子はそれを証明してみせた。生きてさえいれば──

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