第31話 未来からの手紙


 明日は学校に行かないで。

 目が覚め、枕元に置いてあった封筒に目が止まり、中の便箋を見てみるとそんな事が書かれていた。

 幼い子供が書いたような可愛らしい字だ。

 誰かのイタズラだろうか。深く考えもせず、いつものように大学に行くと、ゼミの研究室に足を踏み入れた。


「なんかね、変な手紙が置いてあったんだよねー。子供の字で『明日は学校に行かないで』って」


「えー!? 何それー!」


 ケラケラと笑う友人に、私も同調して笑ってみる。

 明くる日、熱を出して、本当に大学を休んでしまった。

 なんとその日の午後、影の薄い同じゼミ生が包丁で殺傷事件を起こしたという。友人も犠牲者の一人にカウントされてしまった。

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