第34話
34
「う〜ん?何ででしょう……。どちらかというと最近自由な時間が出来たので友人達と一緒にカフェ巡りとかしてますから摂取カロリーは絶対増えてるんですが……。」
うんうんうなるシャーロットの言葉に、公爵夫人から納得したような声がかかる。
「『巡り』って事は何軒も歩いて行ったの?それなら運動にもなってるんじゃないかしら?それに最近やらなきゃいけない仕事も無くなって夜遅くまで起きている事も減ったようだし、生活も規則正しくなったじゃない?あとは無駄なストレスも減っただろうし……。色々考えられるけれど、やっぱり婚約破棄して正解だわね!あんなに悩んでいた事も解決しそうだし、健康にもなったわ!」
公爵夫人は、そもそもシャーロットが体型を気にしていたのはロバートのせいだという事を知らない。
だから純粋に喜んでくれているのが何だか申し訳ないが、健康になるのは確かにいい事に違いない。
それに、彼女も婚約破棄に賛成だとは思っていなかったのだが。嬉しい誤算だ。
「そうだ、そういえば数日前、国王の執務室に王妃が怒鳴り込みに来たぞ。」
「え……?」
「追い返したから安心しなさい。いや〜ありゃもうこの国も終わりだなぁ……。領地を今まで以上にしっかりしないと国と共倒れになるな……。我が家も今後の事をちゃんと考えないと……。」
やはり王妃は仕事の件でなのか、相当焦っているようだ。
包み隠さず父に話しておいてよかった。無駄に隠し立てしたりしていたら上手く庇って貰えなかっただろう。
確か明日からロバートが学校に復学するはずだ。
父からの話でやはりユリウスの懸念は考えすぎではなかった事が分かった。
今まで以上に警戒していくことにしよう。
シャーロットはそう心に決めると、早めに眠りにつくことにした。
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