第33話
33
そこから数日、シャーロットはロバートからどんな言い掛かりをつけられるかと身構えていたのだが、拍子抜けするほど彼と出会うことがなかった。
これは後から聞いた話だが、どうやらロバートは街で問題を起こしたことで国王にこってりと絞られ、一週間軟禁部屋に状態にあったようだ。
いつもならばこちらをバカにしたような視線を投げかけてくる彼の取り巻きの少女たちも彼がいなければこちらを睨んでは来るが、直接突っかかって来る事もなく、比較的大人しく過ごしている。
所詮は虎の威を借るなんとやらだ。
おかげさまで平穏な日々を過ごせていた。
そもそもの話、もうすぐロバートの婚約者ではなくなるシャーロットを彼女たちが敵対視する必要など皆無なのだが。
父が上手く取り成してくれたのか、特に王家から何か言われる事もなく、自由気ままに過ごしていた。
街でロバートとエンカウントしてから約一週間後の夜の事。
いつも通り家族揃って夕食の席に着いていた時の事だった。二人の兄がこちらを伺うような視線を向けてくる。
どうかしたのか、という気持ちを込めて二人を見つめると、軽くかおを見合わせたあと気遣わしげに口を開いた。
「……なぁシャーロット。やっぱり王太子の浮気がショックだったのか?それとも王太子妃、ひいては王妃になりたかったか?」
「?いえ、全然。どうして突然そんな事を?」
「いや……、気付いて無いのか?お前、少しやつれたように見える。……ん?でも顔色は良いな……。少し痩せたか?」
「え!?」
あんなにダイエットを頑張っても全く変わらなかったのに……?特に食事の量は減らしていない。むしろ美味しいものを食べて嫌なことは忘れよう!という友人たちの言葉の元、色々な店で食べ歩き紛いな事をしているのだ。
どうして突然……?
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