第14話

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翌朝、寝不足で重い体に鞭打ってベッドから起き出す。昨日は結局眠りにつくのが三時を過ぎてしまっていた。起床時間の六時まで三時間弱しか眠れていない。軽く身支度をすると、朝食の席に着く。

昨夜は結局書類整理に時間がかかり、夕食を食べそびれてしまったシャーロットの空腹は凄まじいものになってしまっていた。朝食を一口口に入れると、行き過ぎた空腹に染み渡る。思わず零れた笑顔に、シャーロットの体調を心配していた両親と二人の兄はほっとしたのだった。


そこからはいつも通りの日常。

今日ロバートに渡す為の書類を鞄に詰め、馬車に乗って学園へとむかう。降りた所でロゼリア、サリアと落ち合い、校舎の中へ向かう。途中、ロバートとその取り巻き達に罵られつつ教室へ向かい、授業を受ける。いつもと変わらない一日だ。


放課後になり、シャーロットは心配そうなロゼリア、サリアとわかれ、一人校舎の中へと戻っていた。書類を渡しそびれてしまったのだ。流石に王太子の仕事をシャーロットが肩代わりしているなどと知られるとロバートの外聞に悪すぎる。一応気を使っていたシャーロットは、周りに人がいないタイミングを見計らって渡そうとしていたのだが、相応しいタイミングは一日たってもついに訪れなかったのだ。ロバートが校舎から出てきていないのは確認済みだ。この時間はもう他の生徒達は殆ど帰宅している。流石に一人になっただろう。


書類を抱え、ロバートが居そうな空き教室をいくつか訪れてみる。途中、廊下の向こうから歩いてくるユリウスを見つけた。こちらを見つけると、彼は切れ長の目を大きく見開いた。

明らかに挙動不審。

こんな時間まで一体何をしていたのだろうか。

見つかってしまったからには無視する訳にもいかない。仕方なくシャーロットは軽く挨拶をする事にした。廊下の端により、お辞儀をする。



「ごきげんよう、フランシア殿下。このような時間まで一体どのようなご要件でしょうか?」

「あ、あぁ、こんにちは。少し、忘れ物があって。……フェロー二公爵令嬢こそ、どうしてここに?」

「わたくしは、ロバート殿下に用事がありまして。この先に彼を見掛けられましたか?」

「あぁ、突き当たりの教室に。」

「突き当たりですね、ありがとうございます。」

「あ、待って、今は…………」


ロバートの居場所を確認したシャーロットは、ユリウスの静止の声など耳に入っていなかった。さっさと用事を済まして帰りたいのだ。急いで言われた教室へと向かう。



――――そうして、冒頭へともどる。

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