第14話瓜二つ
その畑には、
その中で、出来のいい
通常は位が高い者達が裕福な暮らしを送るのだが、ここ
城主である
それ故、他国から貧困等の苦しみから逃れてくる人々達を、分け隔てなく受け入れていた。
城内に蓄えられていた食料も、彼らに分け与えてしまう為食事は決まって質素なものだったりする。
それでも誰一人愚痴も文句も言わないのは、助けた者同士が力を合わせ、この新しい土地で笑って生きている姿を見られることに幸せを感じているからだった。
その話を2年前―来たばかりの頃というべきか―に聞いた
その姿が、今目の前に広がる豊かな畑であった。
その畑を管理する民達の中に、
彼は広い畑を一望出来る、小高い丘へ登ると、その少年が何処で何をしているかを観察し始める。
少年は、彼よりも小さい子供達に囲まれながら楽しそうに笑い、鮮やかな緑色をした細い茎を引っ張っていた。
どうやら春野菜の収穫をしているようである。
その途端、彼は自分が季節を感じられなくなっていることに気付く。
“ふぅっ”と息を吐き、
少年達は彼に見られているとも知らず、歌を歌ったりしながら、収穫を続けている。
栄養豊かな土壌とは言えないまでも、ここまで大きく成長してくれた作物に対して、喜び、感謝している姿が、とても印象的だ。
「わしは……今までにあんな風に笑ったことがあったかのう……」
いつしか
そして、少年が側にいることにより、自分が自分らしく生きられるのかと再び自問する。
答えはすぐに出てこなかった。
それはそうだろう。
まだ何一つ動いていないのだから、答えなど出る訳がない。
「まずは、どうやってあの者を城に連れてくるかだ……」
そして思いついたのは、城の主-特に
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