ファーストラブ

プロローグ

 初恋ってなんだろう。


 ――初恋は特別だ。


 そんな言葉をよく聞く。


 ――人が心から恋をするのはただ一度だけである。それが初恋だ


 そんな夢のない言葉を聞いたことがある。


 じゃあ初恋ってなんだろう。


 そもそも恋ってなんだろう。


 その人を見てドキドキすれば恋?


 ふとした瞬間にその人を探してしまったら恋?


 その人と一緒にいるのが辛くて、だけどただ同じ時間を共有するだけで幸せなら恋?


 多分、それは恋なのだろう。その人のことが好きなのだろう。


 でも、それが一週間で終わったらそれは恋なの?


 ただの気のせいなんじゃない?


 そんな事を思った。


 けど、それならどのくらい続けばそれは恋なんだろう?


 一ヶ月?三ヶ月?半年?


 それとも一年?


 初恋は特別だ。


 まだ私はセカンドラブ経験してないけれど、それが特別なのはわかる。


 そしてこの胸の高鳴りは、締め付ける様な苦しさは、


 きっと恋のせいなのだと。


 私はこの人が好きで好きで堪らないのだと、それも分かった。


 だから待った。この思いが本物なのかわかるまで。私は決して紛い物なんかを初めてにしたく無かったから。


 だから、だから――


 だから、これはそうなのだと。今なら自信を持って言える。


 私は初恋をしているのだ――と。

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