緊急入院12 外科受診
免疫グロブリンをやった後から、頭痛がひどかった。風邪をひいた時とか不調の際の頭痛とは少し違って、目の奥の方までくるズンズンした痛み。
我慢しようと思っていたけど、さすがに耐えられずナースコールで看護師さんを呼ぶ。
「あ、あの。めちゃくちゃ頭痛いんですけど……」
「副作用ですかねー。痛み止め処方してもらいましょうか。先生に伝えておきます。もうすぐ回診にも来られると思うので」
バイタル等は特変ないらしく、経過観察。とりあえず気休めとして氷枕をもらう。
目がとにかくツラく、借りた氷枕は頭には使用せず目に押しつけて冷やしていた。そんな若干の奇行をしているところに先生登場。
「……目? えっと、体調どうですか?」
「頭痛というか、なんか目の方までくる痛みが強くて」
「あー、頭痛系の副作用多いんですよね、痛み止め出しますので、届いたらすぐ飲んじゃっていいですよ。明日になっても症状ひどかったら、一回治療お休みしますので言ってください」
ということで、カロナールが処方される。ロキソニン信者のためどうせ効かんと思ってたけれど、割と痛みは楽になった。
ただ、痛みのためか疲労感が凄くこの日は意識を失うように眠りにおちる。不眠どこいったレベルで夕食後から朝まで寝た気がする。
翌日、睡眠を貪った頭はとてもスッキリ。加えてカロナールは継続して飲んでいたので痛みもだいぶ緩和。先生の朝の回診で報告し、この日の治療は続行。
ただ、午後の点滴に臨む前に重大イベントが控えていた。
「外科のほうから呼ばれたので、行きましょうー」
……遂に、きたか。
外科かあー。何説明されんだろ。
やだなー、マジやだなー。手術やだなー。本当にやだ。マジやだ。
って感じで、やだって感情しか生まれなかった。まあ、そんなダダこねるワケにもいかず。これから死の宣告をされるかのようなメンタル状態で外科へと向かった。
「じゃあ、終わったらまたお迎えに来ますね」
本気で看護師さん行かないでくれと思った。一緒に手繋いでお話聞いてくれないかなと。大丈夫だからねーって頭撫でてくれと思った。
そんくらい心寂しく、不安感やばかったです。
そして、名前が呼ばれ入室。
そこにいたのは、ベテラン!って感じの風格を持ち、体育会系の雰囲気を纏った50代ほどの先生だった。
(この先生の挨拶は全部、おっす!でした)
「どうも、外科の〇〇です。今回の手術の担当をさせて頂きますね」
「よろしくお願いします……」
「えっとねー、重症筋無力症だよね。病気のほうの説明ってしっかりしてもらった?」
……よく考えると、この病気の説明ちゃんとしてもらったことないな。前の病院でも、自分である程度調べてるだろうからって流されたし。
「いや、しっかりとは説明されてないような……」
「じゃあ、そこらへんの説明からしましょうか」
ということで、病気に関して丁寧にしっかりと説明を受ける。自分が知らなかったことも沢山あり、普通に面白かった。
「それでね、今の説明も踏まえつつ手術の説明をしていきます。よろしいですか?」
「あ、はい。お願いします」
「今回の〇〇さんの場合、左側の胸線に腫瘍がありました。詳しくは解明はされてないのですが、胸線が悪さをして重症筋無力症を引き起こすのだと考えられています。だから、重症筋無力症の方は腫瘍がなくても胸腺を摘出する治療法が推奨されていたりもします」
「それって……腫瘍や胸腺をとったら治るってことですか?」
「完治ということはありません。そういう病気ですので。ただ、それによって良くなる方は沢山います。それに、〇〇さんの場合お若いですし、腫瘍自体も大きいので手術は確実にした方が良いかと思います」
「……わかりました。手術っていうのは胸切るんですよね?」
「"私の場合"は、胸骨正中切開という方法をとりす。全身麻酔で胸のまん中にある骨(胸骨)を2/3から3/4ほど切り、その下にある胸腺をまわりの脂肪といっしょに取ります」
胸切って、骨も切るんか……普通にこええ。
先生はあらかじめ書いておいてくれた、図を見せてくれながら丁寧に説明を始める。
ただ、ここで一つ気になることが。
……私の場合はって、他の方法もあるんか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます