緊急入院⑨ 三月上旬 不眠との戦い
消灯時間よりだいぶ早く寝る体勢に入ったのだけれど、いくら目をつぶっていようとも寝れる気がしなかった。
頭からは確実に「あなた眠さの限界ですよ」と警告がきているのだけれど、神経全てが活性化されてるような感覚。ウトウトすることはあるのだけれど、少しの物音でビクッと反応し覚醒してしまう。
気づけば消灯時間なんかとっくに過ぎていて、普通に日付もまたいでいた。
ステロイドを飲み始めた時の不眠感覚に似ているのだけれど、それの強化版みたいな感じ。この時は、「あ、俺自律神経ぶっ壊れて寝れない身体になって死ぬんだな」と、本気で思ってました。
(ステロイド系、若干メンタルもやられます)
その日も結局、眠れたのか眠れていないのかわからないレベルのウトウトを繰り返しただけで朝を迎える。
「〇〇さん、おはようございますー。バイタル測定と、血糖値測りますね。少しは眠れましたかー?」
「いや、全然寝れなかったと思います。点滴のせいですかね?」
「あー、副作用かもしれませんね。環境も変わってるし。眠剤とかも出せると思うんで、先生にも相談してみて下さい」
血糖値も問題なく、普通に朝食が運ばれてくる。昨日の点滴で少しは良くなっているかとも期待したけれど、口の動きは相変わらず。
もう、血漿交換だ。っていうか、それやっても治らないかも。もういいや、殺すなら殺せーと自暴自棄モードに。 (まだ治療二日目)
そして、先生の朝の回診。
「おはようございます。体調どうですか?」
「良くはなってないです……あと、夜全然寝れなくて」
「あー、ステロイドパルスやると眠れなくなる方多いんですよ。その他に目立った体調不良ありますか?」
「いや、特には……」
「バイタル、血糖値も問題無さそうですし。今日、二回目の点滴やっていきますねー」
「あ、はい……」
先生は忙しそうに、次の患者さんへ。
先生の回診は、とにかく沢山人を引き連れつつちゃっちゃか回っていきます。大体その日何やるかとか伝えられて、了承して終わり、みたいな。
なので、相談事等はその日の担当看護師さんにすることが多かったです。
ちなみに眠剤系は嫌いなのと、この病気的に基本は禁忌なのを知ってたので全く相談しませんでした。(先々の入院で、結局飲むんですがね)
点滴治療は午後からなので、午前中少しでも休もうとしたのだけれど……何かと来訪者が多い。
口のリハビリ、身体のリハビリ、薬剤師さん、看護師さん。土日はゆったりしてるけど、平日の病院は思ったよりも容赦ないです。
入院中って暇なんだけど、なんか忙しいんですよ。リハビリに関しては、また後々語ります。
そして、看護師さんが胸のモニターのテープを交換してくれるのだけど……めちゃくちゃ身体を見られ、あることを指摘される。
「あの、胸から背中まですごい湿疹出てますけど。これ、気づいてます?」
「……え、ああ。なんか、そういえば出てましたね」
「えっと、いつから?」
「……だいぶ、前?」
「先生、これ知ってます?」
「いや、知らないと思います。言ってないんで」
「ダメですよー! おかしいところあったら、すぐ言ってくださいね!」
怒られた。看護師さんに怒られると悲しくなります。
まあ、湿疹の件ですがプレドニン(ステロイド)飲み初めてから二週間ほど経ったくらいからですかね。赤いブツブツが胸、肩、背中にかけて出始めてました。
まあ、プレドニンの副作用だろうと決めつけ痛くも痒くもないので放置してましたが、さすがにそういう訳にもいかないようで。
「先生と相談してきましたけど、明日皮膚科の予約とったので行きましょうね」
「あ、なんかすいません」
「じゃあ、二回目の点滴始めますねー」
ということで、身体も頭もヘロヘロのまま二回目のステロイドパルスに突入する。
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