10枚目 かわいい花
目立つ花だけが、花ではない。人があまり見ない地面、その上にも花が咲いています。地面の花は、それが咲いているだけで可愛い。春の代名詞たる桜も美しいですが、そう言う花もまた美しいです。美しさの中に可愛さがある、可愛さの中に儚さがある。
彼等彼女等はきっと、地面の下から様々な物を見ているでしょう。僕達が誰かと話している下で、その声に耳を傾けているかも知れません。そんな事をふと、現像の中で思いました。光の素材を使って、それを写真に仕上げる作業。現像は、写真の中に自分を写す作業です。写真の明暗、色味、コントラスト。それらを弄って、自分の好きな作品に仕上げていく。
最初は(今も)大変な作業ですが、これも写真の醍醐味です。「自分のこだわりが出てくる」と言うか、それが無意識に出てきます。自分の撮った写真ができあった瞬間、ふと現われてくるんですね。だから、とても面白い。今回の写真は、9枚目と同じ公園(広場?)で撮りました。写真は、下のURLから見られます。
https://kakuyomu.jp/users/azybcxdvewg/news/16817330654439287430
公園の中をゆっくりと歩き、良さそうな被写体を探す。被写体は正面の景色だけではなく、自分の足下や頭上なども探します。そう言う所に意外と良い被写体があるからです。普段あまり見ていない物には、どこか不可思議な魅力、非日常の感度があります。それを写真に収めるのが、楽しい。
被写体の近くに寄り、花の前にカメラを近づけ、バリアングルの画面で「それ」を確かめ、「ここだ!」と思った所でシャッターを切る。それが気に入らなかった時は、違う高さや角度も試してみる。そうして、納得の一枚を作りだす。
写真は(写真だけではないでしょうが)自分のやった事が形になる点で、「創作」に近い物があります。「最高」の次が、すぐに見つかる。それが見つかったら、また次を探したくなる。
精密機械ゆえの繊細さはありますが、それも写真の醍醐味として、カメラポーチ(カメラを入れるための鞄です。僕は、ポーチ型のカメラバックを使っています)の中にカメラを、「カメラの中に記録を収めたい」と思います。
今回撮った花の写真は、その中でもかなり好きな一枚です。地面の下でたくましく咲いている花、桜の花びらに負けない美しさを持つ花。「目立たなくても、可愛い。それが花の美しさだ」と、そう僕に訴えてくる。まだまだ厳しいご時世ではありますが、この花のようにたくましく、そして、「懸命に生きられたなら」と思います。
冬の終わりには必ず、春がやってくる。春は、希望に溢れた季節です。新しい出会いや、新しい夢。それらを思い出させる力が、この花にはあるような気がしました。今回も最後まで読んで頂き、本当にありがとうございましたm(_ _)m
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