第25話 幼武大王の影(8)
「それでは、その吉備臣が差し出されたという、山を
と
父は答えた。
「
つまり、それは、母のものでもなければ、
それほどの
その名代や
でも、姫が
それで、と姫は息をつく。
母は、この姫に死んでほしいのか。
そうすれば、
思い出す。
姉姫や姫は、母にきつく
そんなときは、弘計王の妃だった
父の
「まあ、そういうことだから」
と姉姫や姫が戻ってきたことを受け入れようとしても、母は何も言わなかった。そういうとき、母は難波郎女と目も合わせず、口もきかず、斜め上を見てつんとしているのが常だった。
それは母としての厳しさだと難波郎女には
そうではなかった。
あのころから、母は、姉姫や姫がどこかに嫁ぐことで、母と
姉姫が
まして、いまでは……。
そう思うと、姫の肩がかすかに震えた。
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