第23話 幼武大王の影(6)
「
息をついた勢いで頭を垂れ、顔を伏せたまま、姫と
「この父と
ここで黙っていると梅が言ってしまう。
姫自らが言わなければ、と思った。
「大和に来て、おわかりになった、と?」
父大王は、うん、とうなずいた。顔を上げる。
「母が言っておったろう? 東の
「はい」
姫が胸を張って強い声で答える。
さっき母大后がそれを言ったとき、父大王はここにいなかった。それでも父がこう言うのは……。
たぶん、母はいつも父にもそう言っているのだろう。
父が続ける。
「しかし、東の
泊瀬の宮はその幼武大王の宮だった。泊瀬は
「
父大王は、ふっ、と
「幼武大王の前までは、
父大王はことばを切った。
続ける。
「
「あの神の宮の」
と、
「
梅はこのところ石上の神の宮に行っていることが多い。そこで、
父大王は
「
また短くことばを切る。
「
大王は深く息をついた。
続ける。
「大和の大王の下には
「では」
御言持ちに先に言わせぬように、姫が声を張る。
「
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