第9話 大鷦鷯命(2)
「それだったら、
「大和の野の南の端はもっと遠いけどね」
姉は笑って受け流す。
「でも、まあ、それぐらいの大仕事をやったわけ、というか、民を使ってやらせたわけ、その
姉はここでことばを切る。
「その大仕事のおかげで民が
「ふうん」
姫がそんな声を立てても、こんどは姉姫も笑わない。
姉姫が続ける。
「その税が入らないあいだ、
「そんなの」
と姫が言い返す。
「民がそんなに
「川に
姉姫も言い返す。
「ゆっくりやってたら、
それもそうか、と思う。
「だからこそ民に
姉姫は軽く頭を
「その
姉姫は、そう言って、姫をじっと見た。
何だろう?
中つ国とは、世のまんなかにあって、世の隅々まで治める国、ということらしいけど。
姉姫が問う。
「父上があんなふうに
これにはすぐに答えられる。
「思わない」
そう答えると、姉姫はさっきよりずっとはっきり、大きい声で笑った。
そんなに笑うと、戸の外に出ている
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