第2話 石上
やがてその
何もかもが変わった。
都は
弘計大王の
しかし、姫は、宮を移るのはいやだから明日香に家を
「なんで石上なんだろう?」
姫がそのわけを父にたずねると、父億計大王は
「ここには
と重々しく答えた。
「それに、
姫は
「はい」
と答えておくしかなかった。
それ以上話しても、もっとよくわかる話をしてもらえるとは思えなかったから。
でも、姫にはよくわからない。
西に遠くまで行ったところ、姫の生まれた
石上に伝わるその七枝の刀を捧げたのはその百済という国の
百済や任那のさらに北には
この高麗が百済の国に攻め込み、その
百済は南に都を移して持ちこたえた。
持ちこたえたのはよいが、北で土地と民を失ったかわりに、南の任那へと勢いを拡げてきている。
大和は、その
それで、なのかどうかは知らないが、ここのところ任那の国との関わりも当てにならなくなってきた。
それは姫も知っていた。
だが。
そんな遠い国のできごとで、
姫にはわかってきていた。
「守ってほしいっていうのは、神様っていうより、
声に出すことはしなかった。
声に出せば、その声はいつかは世に広まるかも知れない。少なくとも神様はきいていらっしゃるのだ。
でも、まちがいないと姫は思う。
目連とはこの
この目連は多くの
同じように兵を引き連れている
頼り切って、大和の国の内では、いつ大王に逆らうかわからない
そういうので、いいのかな?
姫にはよくわからない。
少なくとも、
むしろ、弘計大王は目連も室屋連もあまり側に近づけようとはしなかったものだ。
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