第四章 62  第一大迷宮・駆け抜けろ!最下層への道




 俺達が早朝第一迷宮への出発の準備をしているときに、ティミスが転移で竜王の里へと訪れた。何でも宗教国メキアで起こっている事態の情報を伝えに来たということらしいのだが……。




「―――ということ、アリアの姿を真似たアーシェスがこの里の女性達も含めた世界中の多くの女性を奴隷として連行し、法王も含めた信者たちは魔眼で操られて奴隷達を嬲っているわ。全く…、趣味の悪い空間だったわね。さすがに彼女の魔神器相手に一人で闘うのは分が悪いし、今迄の付き合いもあるからねー。上手いこと情報だけは色々と聞き出して来たのよ。あの聖女勇者もアーシェスに甚振られて十字架に吊るされていたわ。彼女が召喚した魔界の魔物に生命エネルギーを吸われてもいたし、かなり危ない状況ねー。特異点を殺すことはさすがにしないでしょうけど…。アストラリア教の最高権力者の法王を操っている以上、奴隷制度の解放なんかを考えていてもおかしくないでしょうね。私はファーレの居場所が魔王領の最奥ってことも聞き出せたし、カーズ、あなたの半身の特異点もおそらくそこよ。私は今からそこに向かって色々と情報収集して来るわ。後は…そうねー、バルゼが何かを企んでるようなことも言ってたし、大迷宮…気をつけることね。あの堕天した三人は他次元の世界の伝承の影響で逆に力を増しているみたいだもの。じゃあ行ってくるわ、アガーシヤをよろしく頼むわよ。それじゃまたね」


 淡々と情報だけを伝え、転移したティミス。俺には彼女の行動がどうにも腑に落ちない様に感じた。今迄の天界での付き合いがあるとは言え、堕天して敵となった者がそこまで懇切丁寧に情報を伝えるだろうか…? いや、ほんの僅かの時間でもあの月の女神の胡散臭さは感じ取れたくらいだ、裏では上手いこと繋がっている可能性もある。あからさまに嘘を吐くのは、アリアの魂の天秤が作用するくらい理解しているはずだ。だが…俺のこれまでの勘、いや寧ろ洞察力というものには何かが引っ掛かるのだ……。


「なあ、アリア。ティミスの発言に魂の天秤は反応しなかったのか? アガシャには悪いが、あいつはどうも胡散臭いんだよ」


「いえ…、特に反応はありませんでしたね。もしかしたら裏があるのかもしれないですが…、はっきりと嘘だと取れる発言はありませんでした。それに、私の権能はあくまで人類の心をはかるもの。神相手に、それに相手の力が強ければどうしても確実性には欠けてしまいますし、パッシブではないので意識して発動する必要もありますからー」


「なるほど…、まあその大体がわかればいいんだけどさあ。やっぱお前のスキルは肝心な時に使えないこと山の如しだな。この前会ったときから発動させときゃ良かったわ」


「ああー!! またその最上級の罵倒を使いましたね! 仕方ないでしょー、元々人の魂を秤にかける前提のスキルなんですよー! 神相手に完全に機能するはずないでしょー!!!」


「やっぱ使えねーじゃん、お前は食費しか使わねーもんな。いやあがっかりだわー」


「むー!! カーズは最近私に冷たくないですかー?!」


「俺は事実しか言ってないぞー」


「ムキー!!!」


 毎度の如く地団駄を踏む女神。子供か?


「まあ兎に角だ、あいつの行動は胡散臭いところが多いんだよ。次に話すときはそのスキルを全力で発動させてくれ。これは俺のこれまでの人生経験と言うか、こっちに来てからのもあるが、所謂人間の洞察力って奴だ。なんか引っ掛かるんだよ。大体神界特別指令オーダーで討伐依頼を受けて来た奴に対して、今迄の付き合いがあるにしてもそこまでペラペラと情報を話すか? それに奴隷達やその聖女勇者も捕まっている、そんなヤバい現場を見られているってのに、それを向こうが簡単に逃がしている。そんな都合良く情報だけを持って帰って来れると思うか? 要は裏で繋がっている可能性もあるってことだ。神鉄の建物内は神でも視れないんだろ? 何をやっているのか本当のところはわからないっていうことを理解しろよ。神様ってのはそういう機微に乏しいんだよな。じゃあ第一大迷宮に行こう。奴隷とかふざけやがって…! さっさとそのメキアにも乗り込まないといけなくなったんだ。時間が惜しい」


「そうですね…。彼女は元々あんな感じなんですけどねー。今後はより注意することにしましょう。ではみんなも準備はいいですか?」


 アヤを筆頭にディード、アガシャ、ダカルーが頷く。


「あ、悪い、ちょっと待って。一応里には結界は張ったが、ファヴニールしか闘える人がいない。しかも残った人達も守らないといけない。だから助っ人を喚ぶ」


「助っ人って…、あ! ヨルムだね?」


 アヤはさすがに察しがいいな。よしよしと頭を撫でてやる。うん、恥ずかしそうにするところも、今日も可愛いな。


「その通りだよ。それにあいつもドラゴンならこの寒さだって平気だろうしな」




 里の中心の開けた場所に転移で移動し、ヨルムを召喚する。相変わらず本当の大きさはとんでもないな…、城だ。庭でチョロチョロしていた可愛い姿とは大違いだぜ。




「…なるほど…。主が不在の間の竜王の里の守護か、それは光栄なことだ! 任せておくがいい!」


「この赤い巨竜がカーズ殿のしもべのドラゴン…。私などよりも遥かに圧倒的な力を感じるとは…、ありがたい。ヨルム殿、よろしくお願い申し上げます」


 ファヴニールがヨルムに頭を下げた。


「我は主の力で強化されておるのだ。大船に乗ったつもりでいるがいいぞ! グワーッハッハッハ!!!」


 いつも通りデケえ声だな…。泥船にならんことを祈ろう。


「おい、ヨルム。あんまり調子に乗んなー、ここの人達と仲良くな」


「うむ、同族を守るのだ。当然であろう。こちらこそ世話になる、宜しく頼むぞ」


 まあこいつなら大丈夫だろう、同じ竜族だし上手くやってくれるはずだ。


「よーし、これで里は大丈夫だろ。アリアにばーちゃん、転移頼むよ」


「はーい、じゃあ行きまーす」


「うむ、儂につかまるがよい」


 フッ!!



 第一迷宮の入り口前に転移。巨大な切り立った山のふもとにぽっかりと口を開けた、これまた巨大な暗い地下へと繋がる大穴。これが大迷宮か…。だが自然発生したんじゃないのか? 明らかに人の手によって造られた様な階段がある。もう疑問ばっかりだよ。


「何で階段があるんだ? それに何で最下層まで一気に行かないんだよ?」


「カーズ様、大迷宮の浅い階層は冒険者にとっては魔石を稼ぐのに恰好の狩場なのです。だから人為的に上階層にはそういうものが造られているんですよ」


 おお、さすが先輩冒険者、良く知っていらっしゃる。


「そうだな、冒険者としてはディードは大先輩だ。これからもそういうことを色々教えてくれると助かるよ。じゃあディードはクラーチの大迷宮にも行ったことがあるんだな? 中の構造ってどうなってるんだ? あと、魔石って何だ? 俺知らないことばっかりなんだよ、教えてくれないかな?」


 少し嬉しそうな顔をして、ディードが話し始めた。


「はい、あの国には南に第六大迷宮が存在します。内部は階層ごとに巨大な空間が広がり、下層へと向かう坂道があります。私も何度か腕試しに向かいましたが…、20階層が限界でしたね。そして魔石とは大迷宮の魔物が持つ魔素の結晶のことです。深い階層程、魔物が持つ魔石は大きくなります。大迷宮、他の小さな迷宮はわかりませんが…、そこに生息する魔物は魔石を核として活動しています。通常の野良の魔物と異なり、斃すと消えて魔石のみが残されるのです。素材の回収ができないというデメリットもありますが、魔石はこの世界の魔道具を使うときなどの重要なエネルギー資源として有用なのです。その為一攫千金を求めて深い階層に挑み、戻って来ないという冒険者達も少なくないと言われていますね」


 なるほど…、スゲー分かり易い。どっかのポンコツと大違いだ。


「さすがだねー! ディードは冒険者としては大先輩だから、もっと色んな沢山のことを知ってるんだろうね!」


 アヤが目を輝かせている…。きっと王宮で退屈だったんだろうなあ、元々好奇心旺盛だもんな。


「い、いえいえ、わたくしはあの頃は…、ただの粋がっていただけの存在ですので。それに奥深くに何があるのかもわからないですから…。ですがこのPTならまだ見ぬ最下層へと到達できるかも知れませんね。言い伝えでは100階層と言われていますけど、辿り着いた者はほとんど存在しないとも言われていますから」


「そうですね…、その為に来たのですから。ですがアリア様、内部へと転移はできないのですか? それ程の深さ、一体どれ程の時間が掛かるのかも不明ですし…」


 アガシャが疑問を口にした。全くその通りだなー。聡い娘を持った気分だ。


「アガシャの言う通りだ。無駄に時間を浪費できないし。どうなんだ、アリア?」


 顔を見ると、気まずそうな顔をした。こいつー…


「私は最下層まで進んだことはないんですよねー、あはははー。それぞれの大迷宮の位置は把握してますけどー(;'∀') ダカルー、あなたはどうなんですかー?」


 丸投げしやがった。


「アリア様…、それはいくら何でも…」


「おい、管轄世界なら隅々まで調べとけよー。この職務怠慢女神」


「素材集めにある程度下の階層までは行きましたよー! オリハルコンやらの収集にー!」


「いや、それなら最下層まで見とけよ……」


 最近ポンコツ感が酷くなってきたなあ……。


「儂はかなり昔になるが、予め封印設置の為にここの最下層までは踏破したのじゃよ。だがのう…内部から外への転移は簡単なのじゃが、その逆はどうしても上手くゆかんのよ。魔素と瘴気が濃過ぎて魔力の波長を狂わされる。内部で魔法を放つことに関しては特に問題はないが、謂わば強力な結界の様なものでな。己の足で進むしかないのじゃよ」


 いきなり踏破者がいたよ……、さすが竜王様。


「でもまたしても理屈が通らないものが出て来たな……。もういい加減慣れたぜ、そういうのは。だったら一気に突破するしかないってことだな。こういう時の為の戦闘バカに先陣を切らせてやらあ、来やがれ!! サモン召喚・バサト!!!」


 ドオオオーーーン!!


 光の柱と共に雪煙を上げて、クソ親父が目の前に現れる。闘うために喚んだからなのか、クラーチの王城で召喚した時とは異なる戦闘に適した装備。黒と赤の混じった色合いの武士の様な和風の軽鎧を纏っているが…、相変わらずダセえロン毛をしてやがる…腹立つな…。




「うおっ!? 寒っ!! テメー、ナギト! こんな寒いところに喚び出すたあどういうことだ、コラァ!?」


「うるせーぞ落ち武者。暴れ足りねーとか言ってたから、この大迷宮攻略の先陣を切って貰おうと思ってたのに。それにアンタなら速攻で突破できるだろ? 本望だろうが? 女神刀もちゃんと持ってんじゃねーかよ、さっさと突破する。嫌なら解除すんぞー」


「待て待て! わかった、取り敢えず寒いのを何とかしてくれ!」


 死人のくせに文句言って寒がるので、アリアがアガシャに着せた様なローブを出してくれた。取り敢えずこのオッサンにガンガン進んで貰おう。ティミスの発言からして、何があるかわからない以上俺達の魔力や神力は温存させておきたいからな。


「じゃあ行くぜみんな! あのダセえロン毛の落ち武者に続け!」


 みんな吹き出しそうになるのを堪えている。アヤだけは遠慮がないので大笑いだ。


「テメー、ナギトー。後で覚えとけよ、折角フィリップと旨い菓子食ってたのによー。ん? お前また強くなったな? 以前より力が漲って来やがる。ほう…、こいつは召喚される度に更新されるってことだな…。いいぜ、嬢ちゃん達、俺に続きな!!!」


 勝手に納得し、女神刀を鞘から抜きながら大迷宮へとダッシュで突入しやがった。猪かよ…。そして俺達もその後ろを追って走り、続いて突入した。


 ザシュッ!! ズヴァアン!! ガキィーン!!!


 立ち塞がる魔物を次々と斬り伏せて突破して行くクソ親父。こいつは楽だ。そしてディードが言っていた様に、斃した魔物はまるでゲームでやっつけたモンスターが光の粒子となって消える様なエフェクトみたく、黒紫色の塊、魔石を落として消滅する。俺は最後尾から落ちた魔石を回収しながら追尾する。落ちたものをわざわざ拾うのは面倒臭いので、グラヴィティーショナル・アブゾープション重力による吸収という創造魔法で吸い寄せて異次元倉庫ストレージへと突っ込みながらだ。何か使い道があるかも知れないし、なくてもポンコツの食費にはなるしな。そうしている内に光がなくなって来た、そろそろ灯りが必要になる。


エターナル・ムーンライト永遠なる月の輝き!!!」


 アガシャが右掌を上に向けて発動させた、月の民の魔法だろうか? 小さな黄金に輝く満月の様な球体が、ダンジョン内を明るく照らす! しかもまさに衛星である月の如く、俺達の周囲を回りながら追従して来る。これは便利な魔法だな、後で教えて貰おう。


「お義父とう様! わたくしもお手伝い致します! ハアアアッ!!」


 ザンッ! ドシュッ!! ギャリィイイイイン!!!


 親父の右隣に走って追いつき、並んだディードがレイピアと連接剣ウィップソードを使い分けながら、道を切り開く!


「お、ディードの嬢ちゃん! 腕を上げたな! よっしゃ、このままガンガン進むぜ!」



 ―――もうとっくに階段が設置されていた階層は突破した。既に35階層。ディードの言っていた20階層の記録はあっさり塗り替えたな。そして地上で遭遇する魔物とは違う、高ランクの大魔強襲スタンピードで遭遇した様な魔物が現れ始めている。だがオーガやトロール、ポイズン・スパイダーなどでは俺達の相手にはならない。でもこの序盤の階層でこのCからAランクの魔物なら、更に下層に行けばSランク程度がゴロゴロ出てくるということだろうな。

 そしてこの空間、地下なのに相当広い。周囲を鑑定すると、魔素を大量に含んだ植物や鉱石などがそこら中に生えたり、転がっている。アリアが下の階層でオリハルコンなんかを収集してたのもわかる気がする。肌で感じられる程魔素や瘴気が濃いのが理解できるくらいだ。

 そりゃ普通は奥まで進めないし、そんな素材なんて誰も手に入れられないはずだ。こんな瘴気の濃いダンジョンの奥に好き好んで入る奴なんて頭がおかしいと思われるだろう。瘴気に当てられて一瞬で意識が飛ぶ。俺達は当たり前の様に魔力鎧装を纏っているから何の影響もないが、魔人の側に常に一緒にいるのと同じ感覚だ。

 使えそうな物質などもグラヴィティーショナル・アブゾープション重力による吸収異次元倉庫ストレージへと突っ込む。




 ―――3時間は走っただろうか? そろそろ先陣組が疲れて来る可能性があるな。


「お爺様! 私も一緒に参ります!」


 アガシャもソードを抜き、左前衛へと加わった。俺と同じことを考えていたのだろうか。気が利く子だなあ。


「お、いつの間にかできた孫だったな。ウチのばーちゃんから念話で聞いてたからな。色々と事情は複雑みてーだが、折角できた孫だ。アガシャ、俺のことはじーちゃんでいいぜー!」


 いきなり意味不明なことを言い出しやがったな…。そんなファンキーなジジイがいてたまるか! 


「アガシャー! ジジイでいいぞー!」

「テメー、ナギト! 孫との大事な時間を邪魔すんじゃねえ!」

「フフッ、お婆様もそうですが、愉快な家族なのですね」


 お、アガシャが笑ったな。まああんな変なジジイがいれば楽しいだろうけど。前衛が3人に増えた御陰で安定した。既に50階層、約半分は突破した。アヤが後ろから補助魔法をかけているからか、それ程疲れは見えないな…。しかしこの同じ様な造りの空間に、坂道。それが延々と続く。魔物のランクもSが普通に現れ始めたし、一般の冒険者にとってはキツイかも知れない。だが神の試練のドベルグの道、あれに比べれば……


「ぬるいな……」

「神の試練と比較したら当然ですよー。でも彼らにはいい鍛錬に実戦です。たまには仲間を信じて後ろで構えておくのもPTリーダーとしては大切な役目でしょー?」


 何もしてない女神様が久しぶりにまともなことを言った。


「確かにその通りなんだけどなあー。相手のレベルとかも最下層近くの方まで丸わかりだし、一気に突破してしまいたくなるんだよなー」

「なんと、カーズよ、お主はあの試練を突破したというのか?! 初代竜王の儂でさえ不可能であったというのに!」


 後ろを走りながら3人で言葉を交わす。


「え? ばーちゃんもアレに挑んだのか? 確かに人族で突破した者はいないとか聞いていたけど、アンタ程の人でも無理だったのかよ?!」


 万全じゃない状態でもエグイ強さだったのに驚きだな。


「アレはのう…、神に匹敵する強靭な心と意志の力を必要とされる。神であっても突破できない者すらおるのじゃからな」

「えー、マジかよ。確かに過去5000年の自分の記憶を追体験とかさせられたし、結構エゲつなかったもんなあ…」


 うん、思い出してもアレはキツかった。二度と御免だ。


「なんじゃそれは?! 人間が耐えられるものではなかろうに!? お主はとんでもないのう…」

「カーズは未だ且つてない、他の世界でも類を見ない特異点なのですよ、ダカルー。あなたも既に感じているでしょー? それはあのゼニウスのジジイも認めているのですからー」

「なんじゃと?! あの大神様までもが…。なるほどのう…、色々と納得がいったわい」

「何のことだよ? 俺は偶然力を貰った只の人間だぞ。そんな大したもんじゃねーよ?」


 全く…、神格持ちは意味わからん事ばかり言うもんだな。


「なるほどなるほど、そういうことじゃったか。それ程の神格を受け入れる心の器…、合点がいったわい」


「まあ、本人は気付いていませんけどねー」


 …何の話をしてるのかさっぱりだな。


「二人で勝手なことばっか言って…。とりあえずもう半分以上は進んだろ? 後は俺とアヤに任せろ。一気に突き抜けるからな!」


 前へ出て、前衛の三人を魔導銃で援護しているアヤの隣に並ぶ。


「アヤ、格闘スキルはもう使えるよな?」


「え? うん、神格覚醒で大体はいけるけど。あっ! 試練のときのアレをやるんでしょ?」


「ああ、残りの階層も少ないし一気に駆け抜ける。さすがにずっとあの三人に任せるのもな。もう数時間は任せっ切りだ、そろそろ休ませてやらないと事故る可能性もあるし」


「うん、じゃあ一緒に行こう!」


「ああ!」


 ドウッ!!


 アヤと一緒に一気に三人が闘っている最前列前まで飛び出す!


「三人共ありがとうな! 少し休んでてくれ! 行くぞアヤ!」


「「アストラリア流格闘スキル!!」」


 ゴオオオオオオオオッ!!!!


 全身を幾重にも魔力と神気で覆い、撃ち出された弾丸の様に強化、超スピードで加速する!


「「ドラゴンダッシュ龍の疾走!!!」」


 ダンッ!!! ドゴオオオオオオオオー!!!


 眼前に立ちはだかる魔物共を次々と吹き飛ばし、粉砕し、消滅させる! いや、寧ろ神気を纏ったこの高速の特攻に触れただけで魔物達は消滅していくのだ。


「このまま一気に最下層手前まで駆け抜ける!」


「うん! みんなは休みながら来てね!」





 グングンと光り輝く2つの弾丸の様に加速しながら魔物を消し飛ばし、俺とアヤは最下層手前までの道を切り開き、走り抜けた。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る