第3話 子作りがしたい美人同級生
……家に連れてきてしまった。
何気に俺、人生で初めてうちに女の子を連れてきてしまったぞ。
それも星奈さん……。
ドキドキと心臓がうるさい。
「……名前はなんて言うんですか?」
高校一年では同じクラスだったんだけどなー。
まあ、俺はぼっちです。
誰も名前など覚えてなくて当然です。
とほほ……。
「柚木翔太郎です、同じ二年生です」
「ショータローですね」
「うん、とりあえず、お風呂に入ってきます?」
幸いにも制服がどれ一つ破れていなかった。
「服は……ジャージを貸しますよ」
「ありがとう、そうします。ショータロー、このご恩は必ず身体で返しますので」
まだ言うか。
俺は星奈さんの両肩に手を置く。
「今からですか!? 急いで身体を洗って清潔にしてきますので待っててください」
「ちがう!」
「?」
俺には星奈さんの心を癒す責任がある。
俺のせいで星奈さんは……。
「もっと自分の身体を大切にしてください!」
星奈さんの目を見る。
いまだに虚な目をしていた。
目にはハイライトが消えていた。
ごめん、星奈さん。
ごめん……。
「お風呂に入ってくるとしますね」
「お、おう……」
服が引っ張られた。
「?」
「怖いので近くにいてください」
○
まさか、近くって……。
ザアーザアーとシャワーから放たれるお湯が床にバウンドしてかかる。
お風呂の中だとは思っていなかった。
いっても、入り口の外かと。
それが中ってな。
「目隠しを取ってもいいんですよ? むしろ、取ってください♡」
「バババ、バカ! むむむ、無理です!」
確かに星奈さんの裸を見たくないと言えばそれは嘘になる。
見たいに決まっている。
あのスタイルを何もなしで見れるのなら見たい、という気持ちも思春期の男なのだからある。
でも、ダメだ。
「私の裸を見なきゃ、子作りできないですよ?」
いつの間にか身体で払うから子作りに変わっていたようだ。
「だから、じじじ、自分の身体を! ……子作りなんて……」
こんな時でも下半身が反応している自分が憎い。
その先端に指先のような感触が──。
「こんなにして……ショータローはえっちですね……ここから命の種が出るんですね♡」
「ややや、やめいっ!」
慌てて反対方向を見た。
なんなんだよ、その言い回しは。
え、エロいよ。
「照れて可愛いですね」
「うっ、うるさい!」
あー、マジで俺、性欲強すぎだろ。
このバカ息子め!
静まれ、静まれ……。
「ショータローは男の子と女の子、どっちが欲しいですか?」
「お、おおお、俺は入り口で待ってる!」
ここにいたら埒が開かない。
入り口で待つとしよう。
前が見えないが確かこの辺に扉があるはずだ。
把手は……。
確かこの辺──。
ぷにっと柔らかい感触が右手中に広がった。
「──っ///」
あ、これは……。
……だよな、これ。
身体中から汗が溢れ出す。
やってしまった。
「いいい、いや! ちが、違うんです、たまたまです!」
「……大胆なんですねショータローは♡。揉んでいいんですよ?」
慌てて手をその柔らかい物体から離す。
「本当に前が見えなくて!」
「……私、変なんです。ショータローに触られただけなのに……」
このままじゃダメだ。
もう一度手をやると把手に当たった。
よし!
思いっきり引くと扉が開き、俺は外に出た。
あ、あぶねー。
あと一歩でとんでもないことに……。
目隠しを外す。
「……ん?」
ズボンを見ると、ねっとりとした液体がついていた。
「なんだこれ?」
触ってみると、少し人の体温に近い温かさがした。
「んんん、ん?」
なんだこれ──。
ハッ!
『ショータローに触られただけなのに……』
脳裏に星奈さんのそのセリフが浮かんだ。
もしかして……いやあ、違う……よな?
うん、違う……、絶対それやん。
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