第4話 赤くなる彼女

寒さで朝早く目が覚めてしまった。

午後から講義なので、もう少し寝ていたかったのだが。。。

しょうがないので、午前中に買い物に行くことにした。

今日は金曜日。

いつもは土曜日に行くのだが、明日は久しぶりの彼女とのデートだ。

ちょうどよかったかもしれない。


覚悟を決めてベットから出て、軽く着替えて少し髪を整えてから、家を出る。


スーパーは大学の反対側だが大学と同じ距離にある。

我ながら便利な立地に住めたものだと思う。


スーパーにつくとまずは野菜や果物のコーナーがあった。

目につくのは柿や梨など旬なものばかりだった。

近くには焼きぐりのコーナーもあり、食べたくなってしまった。


「よし今日は栗ごはんを作ろう!」

栗を一袋手に取り、魚のコーナーへ向かう。

やはり栗ごはんに合うのは秋刀魚だろう。

ちょっと高いが自分の食には妥協しない主義なのだ。

秋刀魚を一尾手に取り、その後は他に必要なものをかごに入れていく。


ある程度必要なものはそろったと思う。

おっと一番大事なものを忘れていた。

酒と氷だ。

居酒屋で働いてることからも分かると思うが、僕も普通の大学生みたくお酒が好きだ。

週末にはお酒が必需品なのだよ。


これで全部そろった。

レジで会計を済ませ、氷が溶けないように急いで帰る。


家に帰ると、ちょうどいい時間になっていた。

お昼は作るのが面倒なので、学食で食べようと決めていたしね。

ちょうど友達からLINEが来て、『大学に今いるからお昼一緒に食べよう。』とのことだった。

急いで食材を冷蔵庫に入れて大学に行く準備をする。


駆け足で大学に向かい、学食前で友達と落ち合う。


「ごめん~おまたせ!」


「いやこっちこそ急でごめんな(笑)」


「学食でお昼食べようと思ってたからちょうど良かったよ」


「そっか~じゃ中入ろうぜ」


二人で学食の中に入る。

今麺類の気分だったのでそばを選び、先に席を取って友達をまつ。

友達は作るのにちょっと時間がかかる唐揚げ丼を選んだみたいだ。


「ごめん~おまたせ。先食べててよかったのに!」


「これぐらい待つよ(笑)」


「そっか~ありがとな(笑)」


少し麺が伸びていたが、元々量はそんなに多くないのでちょうどいい。


「そういえば、昨日のガートマンの動画ちゃんとみたか?やばかったぞ!」


「ん?見てないけど、また何かやらかしたんか?」

そばをすすりながら聞く。


「いやね。ガートマン銃の審査通って銃持ってるみたいな話してたじゃん?」


「あ~してたね」


「それで、1週間くらい前に銃を外で持ってても大丈夫なのかみたいな検証動画で公園で銃投げたりしてた動画あったじゃんか。」


「1日たたずに運営に消された幻の動画ね(笑)」


「そ~それそれ。それさ実は違くて、ガートマンその時に銃亡くしたんだってっさ。気づいたのが動画投稿後で急いで動画は自分で消したらしい。」


「は?それ、マジやばくない?」


銃の紛失については、その後見つかれば罰金程度で済むが、もし紛失した銃が悪用された場合、元の持ち主に対しても罪が行く場合がある。

過去にも紛失した銃が銀行強盗に利用され、紛失した持ち主にも有罪になったことがある。

それくらい銃の保持は厳しいものになっているのだ。


「マジやばい。昨日の動画はさすがに警察に言った方が良いってなったらしく、無期限で休業するっいう内容だった。一週間はさすがに遅すぎだけどな~」


「マジか~ガートマンもう見れないかもしれないのか。。。」


「今頃悪用されないように神に祈ってるかもしれないな(笑)」


「まぁちゃんと罪は償ってほしいよ。」


思ったより重い話で箸が止まっており、そばがもっと伸びてしまっていた。

友達の唐揚げも少し冷たそうだ。



二人とも食べ終わったので、3限のある講義室に向かう。

今日は5限まであるので、省エネで講義を受けていく。


4限の途中で彼女から連絡がきた。


『5限の後さちょっと会えない?』


明日デートするのに寂しがりやめと思いながらも、


『僕も会いたいと思ってた』


と返す。


『それじゃあ校門前で待ってるね』


講義終わりに少し楽しみができた。



5限がやっと終わった。

ぶっ続けの講義はやはり疲れる、、、


校門前へ急いで向かう。


「おまたせ~待った?」


「、、、、、(首を横に振る)」


「会いたかったの?」


「、、、、(ゆっくり首を縦に振る)」


「僕も会いたかった、、、」


彼女の顔が真っ赤になっているような気がした。

いや、このオレンジの夕暮れのせいだろうか?

どっちにしても彼女は喜んでいるに違いはない。


「明日、駅前のカフェに10時で大丈夫だった?」


「、、、、(首を縦に振る)」


「それじゃあまた明日ね!少しでも顔見れてよかった!」


彼女は照れているのか足早に走っていった。

彼女はこの後バイトらしく、その前に時間を取ってくれたみたいだ。

かわいいな。


僕も夕焼けの中自分の家へと足を進める。

家に着いたら、早速栗ごはんの準備をする。

2号分お米を入れて栗も入れて作ったら結構な量になってしまった。

食べきれるかな。。。


秋刀魚もグリルで焼いて夕飯の準備はOKだ。

最後にコップに冷凍庫で凍らせておいた氷を入れ、ウイスキーと炭酸を3:7の割合でいれてハイボールの完成だ。

やはり食事にはハイボールが一番合う。


寂しくも一人で乾杯をして、豪華な夕食を食べる。


夕食に満足して、テレビをみながらソファーの上でくつろいでいたら、疲れていたのかはたまたお酒を飲んでいたからか、寝落ちしまっていた。


パッと起きるとすでに朝日が昇っていた。

すぐ時間を見るとまだ朝の6時であった。

少し安心した。

そのまま二度寝をしたい気持ちもあったが、シャワーを浴びてベットで二度寝が一番いいだろう。

シャワーを浴びたあとベットにあった荷物をリビングに移動させて、もう一度眠りに落ちた。



目覚ましで二度寝からも覚めるとちょうどいい時間になっていた。

着替えて、いつもより念入りに髪をセットし、歯磨きをしてから家を出る。


今日はいい日になりそうだ。

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二人暮らし 橘 かえで @tachibanakaede

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