第3話 家にいる彼女
ギリギリだったが3限に間に合った。
好きな講義だったので、遅刻しなくてよかった。
めちゃめちゃ眠かったけど。。。
今日の講義を全部終えて、家へ帰る。
バイトの時間まで、仮眠でも取ろうか。
鍵を開けて家に入ると彼女は先に帰っていたみたいだ。
「ただいま~」
もちろん返事はない。
リビングに行くと、彼女はテレビを見ていた。
「バイトの時間までちょっと仮眠とってくるね」
自室に向かいベットにダイブ。
バイト前にシャワー浴びたいな、、、
疲れていたのかすぐ眠りに落ちた。
目覚ましが鳴り、起きるとちゃんとバイトの1時間前だった。
1時間前と30分前に目覚ましをかけていたので、ちゃんと起きれてよかった。
シャワー浴びないとやる気でないからね~
シャワーを浴びて、バイトの服に着替える。
少し時間が余ったので、彼女と一緒にテレビを見ることにした。
もう夕方なのでニュースがやっている。
僕はニュースにはそんな興味はないが、彼女は面白そうに見ている。
ニュースでは、去年新しくできた法律について街中の意見を聞いている。
その法律の内容は国民に銃の保持を正当化するようなものである。
4年前あたりから、国際犯罪組織が日本に拠点を持つようになったらしく、特に東京では犯罪が横行するようになった。
その犯罪組織は、全国で拠点を点々としており、日本政府も血眼になって拠点を探しているが現在でも見つかっていない。
増えた犯罪は国際犯罪組織によるものだけではなく、その犯罪組織に影響された人によるものも多い。
その対策として日本政府は国民の安全を守るために銃の保持を正当化する法律を急遽整備した。
ただ、銃の保持には厳しい審査を通る必要があり、また保険や銃本体の代金も馬鹿にならないためほとんどの人らは銃を持っていない。
銃を保持しているのは、一部の富裕層のみである。
そのため、現在僕が住んでいる東京では皆普段通り過ごしているが、いつ犯罪に巻き込まれても不思議ではないのだ。
「ほんと、物騒な世の中になったよな」
彼女も少し深刻そうな顔をしていた。
バイトに行く時間にいつの間にかなっていたので、急いで家を出る。
「いってきま~す!先ご飯食べといていいからね~」
僕のバイト先は駅の近くにある個人経営の居酒屋である。
家からも近いし個人経営で色々と融通が利くので気に入っている。
何より店長がいい人なのだ。
バイト先につくと店長が先に来て開店準備をしていた。
「店長~おはようございます!」
「お~おはよう」
店長に挨拶して、更衣室へ急ぐ。
「あっ先輩!おはようございます!」
この元気な高校生は、このバイトの後輩だ。
「おはよ~」
「今日もよろしくお願いします!」
よくずっと元気でいられるよなといつも感心している。
これぞ高校生パワーだ。
つい最近まで僕も高校生だったわけだが、、、
「おうよろしくね~」
準備をしながら後輩と少し話すことにした。
「先輩聞いてくださいよ~またうちの高校から行方不明者が出たらしいです」
「えっまた?二週間前に一人行方不明になったばっかじゃなかったか?」
「そうなんです~まじうちの高校狙われてる可能性ありますよ~」
「お前は狙われても逃げ切れそうだよな(笑)」
後輩は陸上の全国インターハイに出場しており、100mで全国3位という好成績を残している。
「え~先輩ひどくないっすか~(笑)」
「お~~い!二人ともそろそろ出てこい~」
笑っていると店長からお呼びがかかった。
急いで二人で更衣室を出る。
「さ~今日も頑張りますか~!」
無事営業が終わった。
後輩は高校生のため10時前に帰ったので、店長と二人で締めをする。
「最近、彼女はどうなんだ~?」
いきなり店長が聞いてきた。
店長とは年がそんな離れていないため、色々と相談に乗ってもらっていた。
「前とそんな変わらないですよ~。未だに返事はしてくれないっすね~」
「ん~そりゃそうか。」
「でも、僕と彼女は通じ合ってるので関係ないっすね」
「いつもお前そういうよな(笑)」
「店長は彼女作んないんですか?(笑)」
「俺は作らないんじゃなくて作んないんだよ!」
色々と話しながら締め作業をしていたので少し終わるのが遅くなってしまった。
店長と別れて、家に帰る。
家に帰ると、彼女はまだ起きてくれていた。
いつも無口でツンツンしているが、本当に愛おしい彼女である。
今日は彼女と一緒に寝よう。
シャワーを浴びる間待っていてもらい、彼女と寝室に向かう。
こんな楽しい日々がずっと続けばいいなと願いながら眠る。
彼女を抱きしめながら。。。
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