第10話
冬も終わり、もうすぐ3年生の卒業式だというときにあるダンジョンが崩壊した。
そのダンジョンは一番初期の頃に生まれ、まだ誰にも攻略されていなかったダンジョンだ。
ダンジョンの入り口があったところは直径75メートルほどのクレーターのような大穴になり、そこにはその穴よりも大きなドラゴンがいた。
おそらく、そのドラゴンこそがこのダンジョンのボスだったのだろう。
今はまだ眠っているのか、できた穴にスッポリと入るように丸まって動きを止めている。
他人の能力値をある程度見ることができるスキルを持った者が調べたところ、今の僕でも手も足も出ないほどの強さだった。
また、今ドラゴンが動けないのは、ダンジョンを崩壊したことによる反動で、少なくともあと半年は動くことができないようだ。
この動けない半年の間に少しでもダメージを与えておこうと近づいていった者もたくさんいたが、見えない壁のようなものでドラゴンから10メートル以内には入ることができず、魔法も弾かれてしまった。
協会はその半年の間に他の初期にできた未踏破のダンジョンを攻略し、冒険者達の力をつけるとともに同じことが起きないようにすることに決定した。
それからの半年は去年のダンジョン巡りよりもさらに激しいものとなった。
ただダンジョンを攻略するだけではあのドラゴンに太刀打ちできる強さになれるとは考えられなかった。
そのため、一つ一つのダンジョンで全てのモンスターを殲滅するように進みながらダンジョンを攻略していった。
攻略したダンジョンの中には、あのドラゴンに似た種類のドラゴンが出てくるものもあった。
そこで本番でどのように動けばいいかなどの計画を立てるための訓練などをした。
そうしていくつものダンジョンを何度も攻略していくうちに半年が過ぎ、決戦の日がやってきた。
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