第8話「動き出すオーヴェル」

ブラフマー「おいこら、一発殴らせろてめぇ」


ボルダブ「あぁ?喧嘩か?上等!」


ブラフマー「ちげぇ!お前あの変態から話聞いて俺のこと知ってるのにさっき俺のこと殴り飛ばしたんだろ?殴らせろ」


ボルダブ「ハッハッハッハァ、あれは挨拶だぁ!気にするなぁ!ハッハッハッハァ」


ブラフマー「あとで殺す」


ネイチェル「ちょっとぉ二人だけ仲良くなるなんてずるいわよぉ!私も混ぜないさいよぉ!」


ユリネ「ユリネ、この人たち苦手」


場変


オーヴェル「…進展した!」


カムロ「ん?」


オーヴェル「どういうわけかあの失敗作の血を少し混ぜたら進展したぞ!クク、ハハハハハハ!最後のピースはあの失敗作の血だったかぁ!!これで完成する!これで死者をよみがえらせる装置が完成する!!」


カムロ「ではそのものの血を奪ってきましょうか?」


オーヴェル「ふむ、頼もう。くれぐれもホムラ君のようにはならないように」


カムロ「俺は奴と違って気まぐれではありません。殺し屋にすべてを誓っているのですから」


オーヴェル「頼もしい忠誠心だ」


カムロ「ところで明日依頼のお金の振り込み日ですが…」


オーヴェル「わかっている。そう焦らせないでおくれ」


カムロ「わかってるならいいのです。殺し屋との交渉は慎重に」


場変


アーロット「やぁ久しぶり」


ボルダブ「アーロットォ!!久しぶりだなぁ!!」


アーロット「声がでかいね相変わらず」


シャルウィン「ンフフフフフ、こいつ久々に見たなぁ」


アーロット「シャルウィン面識あるのかい?」


シャルウィン「お前の幼馴染なんだぜ?あるに決まってんだろ」


ブラフマー「おい変態、こいつ学生時代お前に世話になったって言ってるがどういうことだ?お前も若返りの薬使ってんのか?」


アーロット「いや、僕は見た目通り20代さ。彼の言ってる僕は僕のひいおじいちゃんだ」


ブラフマー「人違いかよ…」


アーロット「彼は頭がすごく悪くてねぇ、その分身体能力はずば抜けてる」


ボルダブ「頭が悪いとは何だぁああああああああ!!!」


アーロット「見ため通りの男さ」


シャルウィン「それはそうと、まさか早速大罪者一人追加で来るとは、なかなかやるじゃねぇかブラフマー」


ブラフマー「…」


ネイチェル「ここは天国ね!」


シャルウィン「ンフ、俺は苦手だけどなこいつ」


ブラフマー「お前だけじゃねぇよ」



そして1ヶ月後



場変


オーヴェル「ぐ!!カムロ君は何をやってるんだ!まだ失敗作の血は取れないのか?!」


若返りの薬を飲むオーヴェル


オーヴェル「僕には時間がない!せめてこいつだけでも完成させないと…フフ、僕が出向くしかないか」


場変


殺し屋アジト


ガングウ「カムロ、オーヴェルはもういいのか?」


カムロ「はい、得たい情報も揃ったので」


ガングウ「ふむ、して何を得た?」


カムロ「オーヴェルの死者をよみがえらせる装置、あれを完成させる最後のピースは…王族の血です」


ガングウ「王族の血?!25年前、王族たちは反逆罪として全員死刑にされたはず!そんなものあるはずが…」


カムロ「一人だけ生きていたのです、一目で分かりました。アーサー王の娘だと」


ガングウ「名は?」


カムロ「ユリーティア・ネイビー。王族一覧のリストにも記されていた名前です」


ガングウ「まさか生きておるとはな」


カムロ「能力を使ったかフェイクでしょうね、今はユリネと名乗っています」


ガングウ「ふむ、面白い情報をありがとう。なかなか利用できそうだな」


場変


1週間後…


ブラフマー「おいアル、ユーノ、昨日からガキを見てないんだがどこ行ったか知らねぇか?」


アル「ん?僕は見てないよ」


ユーノ「エル君、そんな子より私と…」


ブラフマー「そうか、めんどいが探してくるか」


探しに行くブラフマー


アル「…ブラフマー君変わったよね?」


ユーノ「???」


アル「ゲームばかりやってストレス発散にぶち壊したり人殺してたのに、あの女の子連れてきてから優しくなったというか話しやすくなったというか…」


ユーノ「私はいつも通りよ」


アル「君の話はしてないからw」


場変


ブラフマー「…あ?」


オーヴェル「やぁ」


ブラフマー「クソ野郎のおでましか」


ユリネ「マー、何言ってる?」


ブラフマー「あ??」


ブラフマーにはオーヴェルがユリネに移っている

いや、逆なのかもしれない…


ブラフマー「疲れてんのか?…ガキとクソ野郎が一緒に見えやがる」


ユリネ「マー?」


ブラフマー「お前ガキか?」


オーヴェル「さぁ、どっちかな?」


ブラフマー「…何が目的だ?」


ユリネ「マー何言ってる?」


ブラフマー「おい、いい加減にしろよてめぇ」


オーヴェル「何が?」


ブラフマー「装置かなんかで俺の頭になんかしたな?臭いで錯覚させる装置だろ?さっきから百合の香りがいてぇんだよ」


オーヴェル「百合の花はとても良くてね。僕は好きなのさ」


ブラフマー「ガキはどこだ?」


オーヴェル「…」


ブラフマー「…殺す」


向かうブラフマー


オーヴェル「無理さ」


能力を無力化されるブラフマー


ブラフマー「チッ!」


オーヴェル「オーヴェルナックル!」



ブラフマー「あのガキに比べたら、これくらい痛くねぇなぁ」


ド!

殴り飛ばされるオーヴェル


オーヴェル「…」


ガシャン


砕けるオーヴェル


ブラフマー「機械か!」


オーヴェル「正解」


複数体のオーヴェルが現れる


オーヴェル「さぁ、どれが本物だと思う?」


ブラフマー「全員ぶっ壊す!」


向かうブラフマー


ガシャン!


ブラフマー「ちょうどいいサンドバック探してたとこだおら」


ガシャ!ガシャァン!


ブラフマー「ふ!」


ガシャン


オーヴェル「…」(もう少し、もう少しだ。今はただ時間が稼げればいい)


ガシャン


場変


オーヴェル「…もう少しで必要な分の血を抜きとれる」


ユリネ「…」←気絶中


オーヴェル「ふふふ、ふはははははははは!!!完成が見える!見える!!見えるぞぉ!!!」


場変


ガシャン


ブラフマー「…クソ!能力なしでこの数はめんどいな」


オーヴェル「もう終わりかい?」


ブラフマー「終わりじゃねぇよ。ガキの居場所教えろこら」


オーヴェル「知らないねぇ」


ブラフマー「知らねぇわけねぇだろ?なめてんのか?」


オーヴェル「何を根拠に…」


ブラフマー「ガキの事を調べた。あいつは王族だ」


オーヴェル「…」


ブラフマー「王族の血ってのは学者にとっては貴重なんだろ?何に使えるかは知らねぇが、アーロットに聞いたら一番欲しいのは王族の血と言ってた。あの変態が欲しいならお前が何か仕掛けるのも時間の問題ってわけだろうが」


オーヴェル「そうか、やはりあの失敗作は王族だったか」


ブラフマー「あ?」


オーヴェル「知ってたはずなんだがねぇ…受け入れられなかったのさ。王族のものが奴隷なんて。しかも、アーサー王の娘だとはね」


ブラフマー「…」


オーヴェル「僕はアーサー王の護衛軍だった学者だ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る