第6話「交わる時」

一週間後


シャルウィン「ブラフマー、お前の連れてきた新人はどこだ?」


ブラフマー「知らねぇ。なんかあったか?」


アーロット「彼に手伝ってほしいことがあってね」


ブラフマー「…」


アーロット「殺し屋の長、ガングウの髪を取ってきてほしいんだが」


ブラフマー「実験か?」


アーロット「そう。ブラフマーは信じるかい?この世にただ少し触れただけですべての傷が治る、もしくは切断されたはずの部位、亡くなったはずの肝臓や骨を完全に治す能力を」


ブラフマー「いろんな能力者がいるからな、いるとは思うが…それがなんだ?」


アーロット「その能力と僕の今作ろうとしてる道具を合わせるとね、面白い結果が出たんだ」


ブラフマー「勿体ぶるな、早く言え」


アーロット「不老不死になれる」


ブラフマー「くだらねぇ、別に不老不死なんかならなくていい」


シャルウィン「ンフフフフフ、俺はお前が一番適任だと思うがなぁ。お前が不老不死になれば、能力に限界が無くなる、そして頭を使う能力だ。劣化もしないし創造でいくらでも自分の姿が、世界が作れる!!」


ブラフマー「俺にその能力者を連れて来いと?」


アーロット「まだいいよ、昨日制作に取り掛かってまだまだ時間はかかる、それに君にとっても悪い話じゃないはずさ。その能力者はロイヤル・オメガ・レジェンドのとこにいる」


ブラフマー「ッ!!」


アーロット「名前は美神ルミカ、能力名は絶対完治」


ブラフマー「オメガ…」


シャルウィン「ンフフフフ、この世に退屈してたんだろ?だったら少しくらいは面白いほうに乗れよ!このチームに入ったようになぁ」


ブラフマー「ハッ!俺には計画のために駒になって黙って働け、としか聞こえねぇぞ。まぁ悪くはねぇか」


アーロット「決まりだね、君にはそれまで戦力を集めてもらいたい」


ブラフマー「戦力?」


アーロット「そう。僕の知り合いに7人の大罪者が一人いる。集めてきてくれないか?元極悪人たちを」


ブラフマー「今はただの老人どもだろうが、使えねぇぞ」


アーロット「大丈夫、若返りの薬さ」


ブラフマー「そういやぁそんなのあったな」


アーロット「引き受けてくれるかい?」


ブラフマー「…チッ、わぁった」


シャルウィン「ついでに新人も頼んだぞ」


ブラフマー「…」


アーロット「行ったね。彼は僕らほど野望に忠誠じゃないから、なかなか頑固だね」


シャルウィン「ンフフ、用済みになったら消せばいいんじゃねぇか?お前の家族のように」


アーロット「親友を煽るなんて、僕はひどい友を持ったよ」


シャルウィン「ンフフフフフ、心にもねぇことをぉ」


場変


ホムラ「…ん?」


ブラフマー「グラサンと変態が殺し屋の長の髪の毛取って来いって言ってたぞ」


ホムラ「無理!」


ブラフマー「即答かよ」


ホムラ「だって、ガングウの親分は強すぎるもん」


ブラフマー「俺とどっちが強い?」


ホムラ「間違いなく親分だね」


ブラフマー「そうか…」


ホムラ「あれ?素直だね」


ブラフマー「うっせぇほっとけ」


去るブラフマー


ホムラ「変なブラフマー」


場変


ブラフマー「この世には俺よりも強いやつがたくさんいる、不老不死になれば…チッ、絆されてんじゃねぇよ」


ユリネ「マー!」


ブラフマー「あ?またついてきたのか」


ユリネ「ユリネも行く」


ブラフマー「遊びじゃねぇんだぞ」


ユリネ「知ってる。昔の強い人探しに行く」


ブラフマー「…お前には何言っても無駄か」


ユリネ「無駄」


ブラフマー「足手まといなら置いて行くからな」


ユリネ「マー早く早く!」


ブラフマー「💢」


場変


?「…誰じゃ?」


オーヴェル「初めまして傲慢(スペルビア)のガイムさん。私は現世界一天才科学者オーヴェル・ティアベルと申します」


ガイム「お前がオーヴェルか、テレビでよく見とるぞ」


オーヴェル「光栄です。今あなたのもとに不審なものが向かっております。若返って排除いたしませんか?」


ガイム「不審なもの?政府か!奴らとは取引で全て解決したはずじゃ!」


オーヴェル「いえ、世界政府ではありません。殺し屋の仲間です」


ガイム「殺し屋?!わしに何用じゃ!」


オーヴェル「あなたも若かりし頃はたくさんの人を殺し、罪を背負って来た身。憎く思うものもいるでしょう」


ガイム「なるほど…年老いたじじぃなら殺せると」


オーヴェル「若返りの薬とターゲットの顔写真、ここに置いておきます。迎え撃つか死んでやるかはあなた次第です」


消えるオーヴェル


ガイム「…」


場変


ユリネ「マー遅い!」


ブラフマー「うるせぇなぁ。体力温存て言葉知らねぇのか?」


ユリネ「お腹すいた」


ブラフマー「ぶち殺されてぇのかお前」


ユリネ「ファミレスある!」


ブラフマー「ひとりで行け」


ユリネ「一人よりみんなと食べたら美味しい!」


ブラフマー「ガキか!あ、ガキだった」


ユリネ「早くぅ!」


ブラフマー「引っ張るんじゃねぇよ」


ファミレスに入る二人


?「シヴァルー、ファミレスデース!」


シヴァルビア「あぁ?行くわけねぇだろ」


彼はシヴァルビア・グルゼリア

後の重要人物の一人


?「お腹すいたデス!早く飯にするデス!!」


彼女はフローラ

見た目はロリだが年齢は35歳


フローラ「シヴァルーもお腹すいてるはずデス!いつもケロリーメイトしか食べてないデス!」


シヴァルビア「おいクソガキ、その呼び方やめろ!あと腹なんか減ってねぇ」


フローラ「いいから行くデス」


シヴァルビア「んじゃぁここの隣のほうな!安くて助かる」


フローラ「ムキー、そこは行き飽きたデス!」


シヴァルビア「わがまま言うんじゃねぇクソガキ、10代が金持ってると思うな。それに…このレストランからは嫌な感じがする」


フローラ「嫌な感じ?」


シヴァルビア「今日だけだと思うがな、ほら行くぞ」


フローラ「あぁ待つデース!」


場変


ユリネ「ふぅ~、食べた!」


ブラフマー「どんだけ食うんだお前」


ユリネ「お腹すいてた」


ブラフマー「はいはい」


店員「7900円になります」


ブラフマー「…」


ユリネ「外で待ってる」


ブラフマー「おいこら、お前自分の出せ」


ユリネ「持ってない」


ブラフマー「後で殺す!」


場変


学生1「…」


~回想~


ブラフマー「チッ、反吐が出る!自分の身は自分で守れよ木偶の坊」


学生1「無理ですぅ…」


ブラフマー「無理ってあきらめてるうちは無理だろうな。やるかどうかはお前が決めろ」


~回想終了~


学生1「僕なんて…ただの村人Aだよ」


ガイム「そこの少年」


学生1「は、はぃい!!」


ガイム「この男を知らないか?」


ブラフマーの顔写真を見せる


学生1「あ!この人は…」


ガイム「知ってるようだね」


学生1「僕の恩人です」


ガイム「…そうか、残念だ」


学生1「え?」


学生1を殺そうと、振り下ろされる手刀

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