第14話 特別作戦編3

僕等は大統領執務室に入って、大統領補佐官を倒した後、その隣の部屋に入る事にした。僕は静かに扉を開けた。

「何者だ。見たことがない顔だな。」

「ロシア大統領閣下、拘束させていただく。セト、セルいけ。」

「大統領閣下は渡さない。貴公は確かロシア国防省か。あなたも拘束させて頂こう。」

「なっ」

ロシア国防相にラスが駆け寄って組み伏せた。現在我々はロシア軍のトップを拘束した。そして恐らく国防相と大統領が話していたのだろう。

「貴公らを解放しても良いが条件がある。」

「なんだ。助けてくれ。お願いだ。」

「ロシア大統領、ウクライナに攻め込んだのは貴公の命令だろう。」

「いかにも。ニコライが言っていた。我々の兵を用いれば3日でウクライナを占領できると。ウクライナの奪還は我々の悲願だ。ウクライナはロシアの一部。歴史的な繋がりがある。」

「ウクライナ人はそんなふうに思っていない。貴公は我々から非常に嫌われている。お前の命は我々が握っている。もし、今すぐ、ウクライナから兵を撤退させて慰謝料を払うのなら除名してやる。ただし我々が今から行ったものをロシア軍のトップに据えてもらう必要があるがな。」

「なんだ。教えてくれ。命が助かるのなら戦争をやめても良い。」

「言ったな。ここにボイスレコーダーがある。もう一度それを言え。じゃないと撃つ。」

僕はボイスレコーダーのスイッチをオンにした。

「私の命が助かるのならなんでもやる。」

普通ならボイスレコーダーを止めるが今回は続けた。

「まずはロシア空挺部隊、スペツナズを解体しろ。その創設は認められない。次にロシア軍の上層部を全員罷免。防衛費を50分の1にしろ。そしてFSBロシア国家親衛隊の解体。ウラジミール中佐を階級を上げて、参謀長にする。そして核の放棄。我々の監視者を常に隣に置く。思いつく限りはこれだ。まああとは政府の上層部と話してくれ。」

「わかった。その条件を飲む。」

これでボイスレコーダーを止めた。

「言ったな。」

「ああ」

「今すぐ拘束を解除することはできない。実際に講和条約を速やかに結んで、解体をするまでは拘束させていただく。部下に連絡今すぐしろ。」

「はい。」

「「こっちに来い」」

僕の部下が電話をつかませた。そうするとロシア大統領はどこかへ電話した。

「どこへ電話する。」

「国防省へ。」

「わかった。もし変なことを言えばすぐに射殺する。覚悟しておけ。」

「はい」

ロシア大統領は電話をかけた。

「もしもし、出たか。ウクライナとの戦争をすぐに止めろ。私はニコライに騙された。」

「大統領閣下?何かありましたか。」

「何にもない。良いからしろ。ウクライナとの講話交渉を始める。話は以上だ。」

ロシア大統領は電話を切った。

「外務省にも連絡したほうがいいんじゃないのか?あそこが外交をするのだろう。」

「ああ」

「電話を許可するからしろ。」

「はい」

ロシア大統領は少し僕が怖いようだった。





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