第10話 緊急事態編1

僕等隊員達は朝の訓練を開始してランニングをしていた。そしたらバーンをいう爆発音が聞こえてきた為オドを建物内に戻して何か軍から来ていないかチェックさせたら慌てて帰ってきた。

「隊長閣下、急報です!ロシア軍が再び侵攻を始めました。先ほどキーウ市内にミサイル攻撃があったとのこと。通信部に先ほど軍本部から通達が届きました。」

「何!まさか現実で起こるとは。ロシアの大統領は何故こんなにも狂っている。プーチン大統領も然り、その後の大統領等も然り。それよりも我等の行動を明らかにする必要がある。オド、周囲に戦闘準備の通達をしてくれ。」

「はい!」

僕は報告を聞くと訓練を停止して急いで隊長の執務室に戻った。そのまま訓練用の服から戦闘服に着替えながらBluetoothを使って軍本部に連絡をした。そしたらすでに会議は開始されていて僕もリモートで参加した。僕らも動く必要がある。ただし全ての司令官が揃っている訳ではない。

「こちらコサックのゼロ、戦争開始の報を聞いた。我々は何をするべきだ。」

「少し待機してくれ。現在ロシアは東部と南部を攻めている。ベラルーシは民主化している為北部は安心だ。ベラルーシに関してはロシアを牽制する為に兵士をロシア国境に多く配置することに大統領と昨日の会談で合意している。だから君等にはキーウではなく他の地域に行ってもらう。」

「了解」

「急報だ!ロシア軍が黒海を運行してクリミアに強襲上陸をしようとしているらしい。」

「なっ。我々コサックが相手を致しましょうか?オデッサに分隊がいます。ワネに連絡をして防ぐように動かしますか?」

「ゼロ殿、早まるな。この場ではドンバスの防衛を固めている。ただしウクライナ海軍に通達しておいた。ロシア軍が強襲上陸を狙っている為警戒せよと。全ての沿岸部は警戒態勢だ。そしてロシア軍の戦闘機が我が上空に侵入した。現在制空権は我等にあるがロシア軍に取られない為、防空部隊が戦闘機やヘリを落としている。ロシア軍の空挺部隊に侵入されるわけにはいかない。」

「今の所、我等はうまく撃墜できているが侵入の数が多すぎる!どうすれば良いのか。」

「ミハイルオレクサンドロヴィチ空軍参謀長、落ち着かれよ。」

「わかっている。我々の司令部は地下だから安全だが、空軍が今かなり忙しい。それよりニコラスヴォルディミーロヴィチ参謀長、何か策はあるか。」

「ミハイルオレクサンドロヴィチ、俺も苦しいのはわかっているがとにかく撃墜し続けるしかない。ロシア軍に航空優勢だけは取られては行けない。これは戦術的な問題だ。貴公もわかっておろう。」

「もちろん!オレクサンドル、ニコライヴィチ陸軍参謀長は如何か?」

「俺か?俺は空軍のことはよくわからないがただ地道にロシア軍機を撃ち落とすしかないだろう。それより俺は今国境の警備に忙しい。今急いで予備役達に招集状を出すことを国防相にお願いするメールを送ったのと現地の工兵部隊に今、塹壕を掘らせている。そしてどうにか国境にて押し留めているところだ。ただし、ドンバスやハルキウはどうにかなっているがスミーやチェルニヒはかなりきつい。あそこはハルキウなどに比べると練度が低い部隊だ。援助が早急に必要だろう。」

「確かに正論だ。しかしキーウに軍を集中させないにしろ、首都だからある程度の警備は必要だ。首都を取られるのはまずい。ゼロ、何かあるか?」

「ニコライヴォルディミーロヴィチ参謀長、俺としては俺等がロシア国内に入る。そしてモスクワにて動乱を起こそう。クレムリンや国防省、FSBに何かあれば戦争は止まるだろう。」

「しかしそれは困難であろう、ゼロ殿」

「オレクサンドルニコライヴィチ陸軍参謀長、俺はコサックの隊長でその練度はよくわかっている。俺としてはできると思う。」

「元隊長として俺も保証しよう。」

「参謀長が言われるのならそうなんだろう。しかし仮にクレムリンに侵入してもどうする。あいつを殺すのか?」

「オレクサンドルニコライヴィチ、俺としてはコサック部隊を率いて脅す。そして早急にウクライナから軍を引くように要求する。もし従わないようなら殺す。そしたら混乱になって戦争どころではなくなるだろう。」

「ゼロ、作戦行動をする上で絶対に正体がバレては行けない。それはわかっているよな。」

「もちろん。俺もコサックの隊員として1度は戦争に参加している。」

「皆知っている。君の出した戦果は目覚ましいからな。それに当時の俺は隊長として指揮している立場だ。知らないはずがないだろう。」

「それもそうですね。」

「ロシアの大統領を暗殺するのも良いが、俺からも頼みがある。」

「なんですか?ミハイルオレクサンドロヴィチ」

「できたらで良いがロシアの軍事施設に侵入してロシア軍のミサイルや戦闘機を撃破して欲しい。ヘリはマンパッツなどもあるしまだどうにかなるが戦闘機の破壊は高価なミサイルでないと困難だし、一個破壊するとロシア軍にかなりの被害だ。」

「わかった。そちらも行おう。その狙って欲しい航空機のリストと知っている限りでいいから場所を教えてくれ。後その他にも自分の判断で動かします。」

「ああすぐに送っておこう。」

「ゼロ、自分の判断で動かしてもいい。信頼している。」

「ありがとうございます、ニコライヴォルディミローヴィチ」

「失礼、СБУ長官のヴァレリーだ。」

「遅いぞ。」

「すまん。部下から報告書を渡された。今までずっとロシア軍の侵攻の可能性を感じてから調べてきたロシア軍の重要拠点や重要な物資がある場所だ。そこを攻撃するとロシア軍によっては困ると思ってな。」

「おお!それは助かる。ゼロ、そちらも送っておこう。して作戦決行はいつだ?」

「1週間以内には。何ヶ所か目標があるので隊員を何個かの班に分けたり役目を振る必要があるので今日は厳しいです。」

「了解。頼んだ。」

「今から準備します。では失礼」

僕はミーティングを抜けて僕等の役目を行う準備を開始した。まず、副隊長やかく小隊などを率いる人間を呼び出す。今回は極秘作戦だ。絶対に見破られるわけにはいかない。

「セク、班長等を呼べ」

「了解」




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