第9話 ウクライナ帰国編

僕は1ヶ月のイギリス滞在を終えてウクライナに帰国した。僕は空港からタクシーに乗って軍の本部に行った。その後、制服に着替えると自分の車を運転して森の中にある特殊部隊、ウクライナコサックの本部に入った。そこの場所は絶対に知られてはいけないため密かにいく必要があって大変だった。敷地内に入ると隊員たちが敬礼していた。

「ご苦労。僕がいなかった間の報告を」

「はい!大きな問題はゼロ。唯一の心配は再びロシア国内で独裁者が誕生して、少しロシア軍が通常より多くの兵士を我が国との国境に設置している以外は大丈夫です。」

「そうか。代理助かった。」

「いえ、隊長がここ何年も休暇をとっていないのは我らは知っていますから。」

「わかった。鍛錬を再開する。」

「はっ」

僕は久しぶりにウクライナコサックの鍛錬に参加した。ブランクがあった為少しきつかったが、まあまあ余裕にできた。更に今日は特殊訓練を行う日だ。我々はさまざまな装備を使用するしあらゆるウクライナ軍の部隊から隊員はやってきている。僕は陸軍出身だが、海兵隊、空軍、海軍出身の人もいる。そもそもここにある基地以外にもオデッサ近郊に250人ほどの隊員が駐在する基地があってそこまで水を引いている。そこは海軍出身の兵士が多い地域で、もう1人の副隊長が率いている。僕はそこに配属されたことはないが、何度か行ったことがある。その基地からは黒海にも行けて、密かにクリミア半島に上陸する為などの対策も用意している。いくらクリミア半島は奪還したといえどロシアが狙っているのは確かな事実だ。そして僕らの部隊にはヘリや戦闘機もあってパイロットの訓練をしている人たちもいる。



そして今日の特殊訓練はSASでも使われているウィングスーツを使用した訓練だ。この訓練はカルパチア山脈にてやるのが望ましいがそのようなことはできない為此処で週一のペースでヘリから降下しながら行う。そして年一回はカルパチア山脈にて全てのウクライナコサックの隊員が集まって1週間みっちりと訓練を行う。その昔はそこまでだったがウクライナコサックも30年の歴史の間にかなり強化された。そして2022年の当時は持っていなかった技術も保持している。我々は常に厳しい訓練と、良き装備でロシアに対抗している。



ウィングスーツの習得はキツかったが今や新入隊員を除くほぼ全員が出来るようになっていた。そして僕等は毎日厳しい鍛錬や色々な知識を吸収、そして軍の上層部などとの会議をしながら日々戦力を高めていた。そして日に日に不穏な空気が吹き始めていた。そこへ急報が入ってきた。そのことにより僕等の日常は崩された。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る