第3話 就任式

今日は僕の隊長就任式だ。僕は隊長就任と共にコードネームをヌルからゼロに変更する。そして階級も一つ上げ中将となる。




就任式は僕等専用のキーウ州ヤブルニブカ近郊の森の中にある基地で行われる。僕の前任者はこの後ウクライナ参謀長になる予定だ。僕らの部隊は規模としては旅団より少し小さいぐらいだが部隊長の格は格地方軍管区の軍管区司令官場合によっては陸軍などのトップと対等だ。その為トップは将官が務める。そして僕はウクライナ軍の最年少将官だった。






僕ら隊員は全員正装を着た。そして隊員達はみんな平、隊長級、幹部級などに別れて並んで道を作った。前任者はウクライナ国旗の前に立っていて僕はそこに歩いて行った。そして僕と言葉を交わした後握手をして隣に並んだ。その後彼は自分の顔のマスクを外し、制服のジャケットを脱いだ。これで彼はウクライナコサックを抜けたことになる。ウクライナコサックである間は如何なる時も人前でマスクを脱ぐことは禁止だ。ただし例外としてウクライナコサックとしてではなくただの軍人としてならできる。例えば故郷に一時的に休暇を使って帰った時などだ。







僕は休暇返上をし続けて来ていたため叔父には此処11年ほどあっていない。これには僕の血筋が関係していた。僕は叔父に感謝しているが少しトラブルがあったのだ。叔父は僕にウクライナ軍に入ってほしくなかった。僕はイギリス王家の血を引いていてこのまま叔父に子供ができたり現在の女王の娘に子供はできないと僕が王位を継ぐ可能性が高い。祖母は現女王の妹だ。そして現在僕は王位継承権第4位だ。第4位といえど殆どの確率で僕が王になることは決定していた。現女王の娘は年齢的に子供は厳しく祖母はもちろん不可能。叔父は結婚でさえもしていないのに既に70そこらだ。その為僕は未来の王としてイギリス軍に入るように促されて来た。僕はアメリカで育ったといえどアメリカの超名門校を卒業していたから経歴にも文句は出ていなかった。そして僕は現在幽霊隊員として少将の位がある。ただ今月末で退役する予定だ。叔父達としては実務を行なってほしかったみたいだ。イギリス国民は僕の存在を知っているが僕の家庭の事情もよくわかってくれていて僕がウクライナ軍に属している事に理解を示してくれている。僕がロシア軍に復讐したいという気持ちをわかっているのだ。その為僕は退役させられていないのだ。






僕はウクライナコサックの隊長になれた事を誇りに思っている。そしてこれからは副隊長ではなくウクライナコサックの隊長としてウクライナコサックを率いていくつもりだ。

















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