第6話 人はモンスターより怖い

第6話


「うおぉぉぉぉぉーーーーーーーーー!!!!」


落ちる、落ちる、落ちる。


ダンジョンに空いた穴に落ちてから、ずっと止まらない。


何処まで落ちるんだよ、これ!?


「無論、死ぬまで。」とか言われたら、泣くぞ俺!!


「って、むぎゅ!!??」


ッ痛ぅ………


や、やっと地面に辿り着いたぁ………


はぁはぁ、いい加減にしろよ、マジで。


どれだけ落ちたか知らんが、【硬化】しても痛かったぞ………


「此処は………」


周囲を見渡すと、ダンジョンの様相が変わっていた。


平原というか草原みたいなフィールドが、大体の人が持つダンジョンのイメージに合った物に変貌していた。


要するに、洞窟みたいになっていた。


確か………


「此処、11階層から20階層の辺りって事か………」


10階層を超えたら、洞窟のフィールドになるらしい。


出てくるモンスターの一新されるらしいし、中々に厄介らしい。


「どうした物か………」


上へ戻るには、下の階層へ降りる場所にまで行かなきゃならない。


果たして、今の俺が通用するのだろうか?


「やるしかない、か………」


死んだら死んだで、その時だしな。


「さて、行こう。」


☆☆☆☆☆


「全然、モンスター居ないな………」


可笑しい、上の階層ですら、モンスターは一定の感覚で現れていた。


なのに、全く現れない。


まさか、何かが起きている?


「あら、私以外にも人が居るなんてね。しかも、ソロで潜るとかそんなに強いの?」


へっ、声!?


後ろから何か聞こえてきた!!??


モンスターって人の言葉を喋るの!!!???


────うん、そんな訳がない。


多分、きっと、間違いなく、メイビー、この声の主は─────


「ちょっと、無視しな「しゅ、シュみませんでした!許してください!!な、何でもしまシュから!!!」いでぇ………」


ひ、人だ!!


も、モンスターより怖い存在が現れちゃったじゃん!!


た、助けて!!


「ちょ、止めなさいよ!何で土下座してるのよ、貴方!?」

「す、すみません、下賤の物が貴方と同じ目線に立ってシュ、すみません!!」

「だから、止めてって言ってるでしょ!!後、卑屈過ぎるにも程があるわよ!?」


だって、どうコミュニケーションすれば良いか、理解わかんないんだもん!!


「はぁはぁ、すみません………」

「はぁはぁ、やっと立ってくれたわね。謝るのも止めてくれたら、助かるのだけれど。」


無理です、はい。


「で、ソロでこの階層ら辺まで来れるなんて貴方強いのね?もしかして、何処かのクランの秘蔵っ子なの?」

「いえ、違います!すみません!!トラップにかかって落ちてきました!!!本当にすみませんでした!!!!」

「だから謝るの止めなさいよ。でも、成る程ね。災難だったわね、貴方………」


はい、貴方様の言う通りです。


「何か変な事考えてない?」

「いえ、滅相もない。貴方様に対して、変な考えを抱く程、愚かではありません!!」

「謙り過ぎじゃないかしら………」


至って普通の態度です、貴方様。


「はぁ、しょうがないわね。私が出口まで案内してあげるわ。」

「ありがとうございます!この恩、俺の生涯の全てを尽くして返したいと思います!!」

「重いから止めて。」


続く

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