第5話 不幸はいつも突然に

第5話


「ははっ、死ね!」

『ポヨヨヨッッ──────』


いやぁ、滅茶苦茶楽しい!


スライムを火炙りにする度に、簡単に破裂していくのだ。


正直、某パズルゲームをしてる気分だ。


「魔石、魔石♪」


いやぁ、稼いだ稼いだ♪


ノリノリでやってたら、何か100個ぐらい溜まっちまったよ!


いやぁ、嬉しいなぁ………


自分が稼いだお金だと思うと、何でこんなに嬉しいのだろうか?


「よし、じゃあこの勢いで2階層へレッツゴーだ♪」


☆☆☆☆☆


勢いに乗ってやってきた2階層。


確か、此処では………


「ゴブリンが出るんだっけ?」


これもファンタジーとかでお馴染みのモンスターだ。


最近だと、竿役としても有名になってる気がするが、本来は悪戯好きの妖精らしい。


確か、日本だと小鬼みたいな物なんだっけ?


「ノリノリで来たが、気を付けないといけねぇな………」


ゴブリンは時々、2か3人、多くて5人のグループを作る事があるらしい。


多数のモンスターの相手はだし、何が起こるか理解わからんしな………


「────居るな。」


忍び足で行動し、岩陰に隠れる様に前方を探る。


すると、3匹のゴブリンがたむろっていた。


全員ヤンキー座りしてるし、不良なのか?


いや、ゴブリンという種族全体が柄が悪いだけだな、多分………


『ゴギャ………』

『ゴギ。』

『ゴギャゴギャゴギャゴ?』


────よし、気が付いてないな。


なら、俺がするべき事は────


「燃えろ!」

『『『ゴギ!!!???』』』


生み出した炎でゴブリン達を火炙りにする。


当然、奴等はパニックになるだろう。


其処を俺が突いて………


「あれ?」


どうやら、そんな事は必要無かった様だ。


俺が放った炎で、ゴブリン共は息絶えている様で、全く動く様子が見れない。


死んだフリかもしれないが、燃え続けている状況でソレは難しいだろう。


まぁ、念には念をだ。


「手頃な石、石………あった!」


そこら辺に転がっている石を何個か探し、手に取る。


そして………


「死んどけよ、ゴブリン!!」


思いっきり、投げる。


どうせなら【硬化】の方もしようと思って念じてみたが、効果は無かった様だ。


今は使う予定は無いが、使えたら便利だったろうに………


「ふぅ、大丈夫みたいだな………」


石を投げても、燃えているゴブリン達の反応は無かった。


そして、消し済みになり魔石となった。


しかし、魔石は燃えねぇんだな………


「ゴブリンの魔石は何円だったかな………」


帰ったら、受付のお姉さんにでも聞いてみるかな?


まぁ、聞ける気がしねぇけど!!


はぁ、ダメダメだな、俺………


「さて、ゴブリン達もいっぱい狩────」

(カチッ)


と、一歩踏み出した瞬間、変な音が足元から聞こえた。


えっと、確か、ダンジョンで足元から変な音が聞こえた時は………


「しまった、トラップか!?」


その場から離れようとしたが、遅かった。


「ちっ、落とし穴か!?」


足場が消失し、大きな穴が形成される。


俺はもうこの穴に落ちるしかない。


なら、俺がするべき事は………


「【硬化】!」


覚悟を決めて、落ちる事だけだ!


続く

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