第33話 猫と眠れ(6)
女が部屋に戻るまで、
ほっと胸をなで下ろす。
でも、凛音は助けたかった。そうするのが当然だと思っているからだ。
――そういうのはアダムが一番嫌うわよ。
心の中で誰かが言った。
わかっている。
でもこれだけは確実にいえる。見殺しにするのが自分の欲望の
アパート街にいると、面白いものが視界に入ってきた。
三階建ての階段をのぼっていく男の姿。背の高い、肩幅の広い、ロックなTシャツ、ブラックジーンズの、リーゼント・ヘアーの男。忘れるはずもない。彼からもらったものは今も身につけている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます