乱心

魔王が、なげき、悲しんで。


力の制御ができなくなって。


世界がねじれてしまったようです。


母と行った花畑には、黒い蝶が群れていました。

あおい鱗粉が、淋し気に、光っていました。


叔母の姿を見なくなりました。

いとこ達の姿も、見なくなりました。


そういえば、

母の死因は、なんでしたっけ?


ボクは、

母が、なぜ息を引き取ったのか、知りません。


魔王は、それを知っているのでしょうか?


ひとつの命と引き換えに、

ひとつの命が産まれたことを。


ボクが、それを知るのは、ずうっと ずうっと 先になります。


なぜなら、

ボクは……


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る