慟哭(どうこく)

母が、息を引き取りました。

それは、

ボクが、魔界ここへ連れてこられて、何年かってのできごとでした。


息をしていない、母の身体。


それを見ても、

母が、もう起きてこないことが、

ボクを抱きしめてくれないことが、信じられませんでした。


ボク以上に、

魔王は、

母の魂が魔界ここに無いことが、堪えられなかったのでしょう。


魔王のなげくさまは、見ていられませんでした。


従者達も、手を付けられないほどに。


ここは、魔界ですから、

母の亡骸は、朽ちることなく、

今も、にあると思います。


魔王の唯一のとして。


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