第25話
「それで? 二人はどういう経緯でそういう関係になったのかな?」
のどかの問いに花音は俯いた。その反応に俺も同様の対応をする。
「そう。答えたくないってこと。まぁ、そこは詮索しないよ。いくら友達でも知られたくないことを無理に聞かない。それよりも話を戻しましょうか。ねぇ、花音。会ってから思っていたけど、たっちーに私のこと話していないでしょ?」
「あはは。まぁ、会ってから話せばいいやってあまり言っていない」
言っていない? 一体、何のことだろうか。それを悟ったようにのどかは俺に問いかける。
「たっちー。私の印象ってどんな感じ? 別に怒ったりしないから正直に話してほしい」
「どんなって言われても……普通かな? 普通に可愛い子だと思うけど」
「だよねぇ。私もそう思う。普通、普通。平凡なんだよね。私って」
のどかは頬杖を付きながら怠そうに呟いた。
「どうしたの?」
「のどかは自分が普通ってことにコンプレックスを感じているの。普通に可愛いとか普通の顔とかね」
「私は花音と違って目立つわけでも才能があるわけでもない。普通、普通って言われる訳。でも一つだけ他とは普通じゃないものがある。それが人より性欲があるってこと。でも私は普通って思われる体質だから好きな人としかそういうことはしないものだと認識されがち。それがずっとモヤモヤしていた。別に好きな人じゃなくてそういうものが好きな人同士でやればよくない? 感覚なんだよね。私って」
「そこで私の話を聞いて興味を持っちゃったってことなんだよね。分かってくれた?」
のどかと花音のやりとりを聞いて素性が何となく分かった。
それは本当の自分を隠していたというより、出せなかったというのが正しいのかもしれない。花音はそれを知った上でどうにかしてあげたいと俺に相談を持ちかけた訳だ。
「それで? のどか。俺は何をすればいい? 君の悩みを俺が解消できるのであれば手伝わせてほしい」
「ふふ。ありがとう。話が早くて助かる。たっちーにしてほしいことはいくつかあるけど、まずは二人の○○を見学させてもらえる?」
「見学って○○中を?」
「うん。撮ったりする訳じゃないよ。ただ見ているだけ。私のことはただの背景だと思ってくれればいいから」
「見るって言っても花音。お前はいいのか?」
「まぁ、のどかとは一緒にお風呂入ったことあるし、○を見られる分には抵抗ないかな」
「いや、○じゃなくてそれ以上のものを見られるんだぞ」
「他の人だったら嫌だけど、のどか相手なら私は気にしないよ。たっちー次第だよ。嫌なら断ってもいいし、どうする?」
「うっ。花音がいいなら俺は構わないよ」
「本当に? いやぁ、断られると思ったけど、良かった。じゃ見学させてもらうね。今から行く?」
急かせるようにのどかは笑みを浮かべながら言う。
本当にエッチなこと好きそうだな。この子。でも、今からって心の準備が怪しいところだ。
「私は構わないよ。丁度、したい頃合いだったし」
「花音がそう言っているし、たっちーもいいよね?」
半強制のようにのどかは問いかける。
花音が良いと言っているのに俺が無理と言う訳にはいかない。
「分かった。合わせるよ」
「よし。じゃ、早速三人でホ○ルに行こうか」
軽い感じでカフェを出てラブ○に向かう。
花音と二人で行くことはあるが、三人で行くのは新鮮そのもの。
そもそも三人で入ってもいいのか疑問を浮かべる。
しかし、人間とのやりとりがないのでホ○ルの一室に入るのは案外簡単だった。
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