100番目の願い

紫陽花の花びら

第1話

あっ、おちたよ。


あゝおちたな。


ほら! おちたよ。


そうだよ。

それがしごとだからな。


ほしくずはね、

たくさんのねがいをもって、

おちていくんだ。

どこににおちるかなんて、

だれにもわらないんだよ。

ひとは、ねがえばおわりさ。

そしてだいたいは、ねがったことをわすれるんだよ。

わしらがこんなにだきしめているというのにな。


たくさんもてるの?


99こ。

99こ?


あたらしくうまれたあかちゃんぼしとおじいちゃんぼしが

キラキラカシャカシャキラキラカシャカシャと

おはなししている。


こんやのほしたちは、ちょっとにぎやかな。


ひるま、おひさまがとってもニコニコしていたので、

おつきさまが、いつもよりあるくかがやいてくれている。

すると、

つきのせいたちは、おおよろこびで、

そこかしこにひかりのこなをまきはじめる。


ひかりのこながかかると

ほしたちのひかりは、ますますかがやききだす。


それでも、ひかりがもどらないほしたちに、

おつきさまはやさしくささやいてくれる。

「さあおしごとだよ。みんなのねがいを、かなえにいっておいで」と。


おつきさまからねがいごとを99こあずかったほしたち。

いきおいのままにながれだす。


あとひとつ、だれかのねがいをあずかり

ながれぼしになっておちていく。


であえるといいなぁ。


さいごのひとつ「100番目の願い」にあなたがなれるといいな。


……できることなら、そのねがいをわすれずにいて。


だって、もしかなったら! 

うれしいにきまっているもの!


ささやかなねがいであっても。

それがゆめやきぼうになるとしたら。

すこしのゆうきがうまれるかも。


めざすものはひとつじゃなくていい。

99こ、ぜんぶねがって、ふみだそうとおもえたら。


それがわくわくだろ。


それがろまんだろ。


おわり。





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100番目の願い 紫陽花の花びら @hina311311

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