第3話 僕らなら
狭くて汚いカラオケルーム。
緊張でガチガチになった僕をよそに、佳奈さんは上着を脱いでブラウスとカーディガンという装いになる。
彼女の白い首筋とそこから繋がる胸の丸みが目に入って僕は思わず目を逸らした。
「ささ!! 歌って頂きましょう!!」
彼女はそう言うと勝手に機械をいじって曲を入れた。
「ま、待って!! いきなりは無理です!!」
僕の慌てた顔を見ると彼女はニヤニヤしながらマイクを手渡してきた。
「緊張しよん? Aくん歌うまいけん。大丈夫じゃよ」
その顔が声が優しくて…
僕は思わずマイクを受け取った。
ガチガチに緊張して歌った「僕らなら」は上ずって震えていた。
だけど僕はその時思った。
僕らなら、本当に何処へでも行けるんじゃないかって。
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