第4話 高校生時代

 なんと暗黒期が続く。いつまでやってるんだという話だが、不幸にも受験先の高校が男子少なめの共学で、知らない関係性含めたマウントの取り合いが横行する陰湿めな土壌を育んでいたのだ。そんなもの育んでどうする。学年カラーもあっただろうが、確実にハズレだった。しかし、同じ中学から幼馴染みと、仲のいい子が入学していたので、その子たちと仲良くしたりして生き延びていた。部活は吹奏楽部だったのだが、そこで弦楽器を弾いたりしていた。相変わらずコミュ障だったため、最初のうちは同じ部活の子に馬鹿にされるなどした。でも楽器を演奏するのは好きだったため、かまわず弾き続けていたら学年でも一二くらいの技術力になった。そこで、二年生からは指導する立場となる。私を馬鹿にしていた人たちとはすでに仲良くはなっていたが、悔しがっていた記憶がある。はは。努力は実るのだよ。このような心境だったはずだ。基本的に自信はなかったので、こういう技術で自尊心をなんとか保っていたところはある。

 成績は初めは理系科目がひどひどだったが、段々と上がっていった。受験する学年が近づいて本気を出したのかもしれない。私を勉強に駆り立てる原動力は基本的に「負けたくない」「見返してやる」である。控えめな態度に隠れてはいたが、実は闘争心溢れる性格だったのである。

 恋愛は一件だけあった気がする。向こうも好いてくれていたようだが、いかんせんどちらもオクテで、ろくに会話もせず卒業してしまった。生徒会委員で、大人しかったが明るく前向きな人だった。

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