常夜灯とスイートホーム・中
過日残夜7
声と同時に
次の瞬間には、
武装が拳銃で人数もいる──5人くらいじゃちょっと少ないけど──場合は真ん中に立ってしまうのが1番楽だ。テンパっている人間の照準などブレブレ、タイミングさえ見極めれば
真横の輩の胸ぐらを掴んで引き寄せ、鼻先に頭突きをかます。よろめく男を盾にして
残りは2人、社長と…オマケっぽい角刈り。オマケからいくか。
ゴロゴロと地べたでのたうち回る姿に近付く
男は派手に咳きこみながらも‘このままじゃ済まさねぇ’だの‘ブッ殺してやる’だの
その時。月明かりをうけた何かが
「…お前が殺したんだな?」
言いながら構えるピストル、チンピラが落とした物を拾った様子。
「助けてくれるなんて優しいな」
「んな訳ないでしょ」
言うが早いか
「ごめんね、勝手なことして。でもさ」
…さて。
どのくらいの時間が経っただろうか。ふいに、土とは違う何かが見えた。作業着の
平たくいうと、腐ってる。皮膚はボロボロ。だからって骨になっている訳じゃない、土に埋まった人間が分解されてガイコツになるには5年くらいかかる。棺桶なんかに入れてたら倍の10年…いや、今そんなことはどうでもいいか。とにかく、肌が土気色に変わり死斑も浮き、ところどころ膨張したり潰れたりして、腐敗し異臭を放つそれを、
生温い風が吹く。転がる死体、雲の切れ間から差す月の光。
───少しだけ、あの夜を思い出していた。
かつて故郷の村で。積みあがった屍の束の前に、
「
呼ばれて
そうだ。もう、今は────違うのだ。この眼鏡だって。忘れた訳ではもちろんないが…胸にしまっておくことと、
「冷えちゃうでしょ。
「大帽山に」
埋葬しに行きたい。ポツリと訴える
少年のほうも連れて行ってやろうかと思い
この更地で
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