路傍と外出日和・後
日常茶飯4
順光楼で何種類もの
小高い山頂に着くと、
「綺麗だね」
「うん」
ひとつひとつの建物や窓の中に誰かが暮らしている。これから知り合う人もいるだろうし、一生巡り合わない人もいるだろう。すれ違うだけの人も、すれ違いすらしない人も。それぞれ人生があって、その全てが九龍城を形造っている。
一度入ったら二度と出て来られない魔窟などと揶揄される──そりゃ確かに事件は多発し死体ばかり転がるが──けど、
黄金色の城塞。
俺、やっぱこの街、好きだな。
みんなと居る
と、トッピングのマシュマロがポトッと足元に落ちた。それを追った視線の先で、路傍に黄色い花が咲いているのを見付ける。葉っぱが左右から2枚でクルンと茎を覆っており、まるで金髪の小人が着物を羽織っているかのようだ。
「
「ね!思った!」
隣に座り込む
日が落ちきる前に2人は高台を下って街を抜ける。【宵城】に到着すると、事前に
それから
最近
「わかった。デートの予定があるんでしよ、
「えっ!?」
今日、
「あれ?新しい
呟く
「ランニングとかするなら付き合うよ?」
お腹をプニッとつまみながら
スクリーンの向こうで
混沌の街にそよぐ夜風。平和に、緩やかに、今日も九龍の夜はふけていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます