無心とトラブル
和気藹々4
夕暮れの九龍城砦。
【宵城】での話し合いのあと、
庇われている。いつまで経っても───悔しいなぁ、もう…。拳を握り締める
その様子が先日の
しばらくのち、【飛鷹】のメンバーが取り決めの時刻よりかなり前に到着。してもしなくてもいいような挨拶を交わし、
いやにサッパリしている…引っ掛かりを感じて
まるで───横取りされて良かったような。
なにもなく終わりましたねとホッと胸を撫で下ろしている
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「これで一応落ち着いたはずやから。明日から
「あの、ほんとに私…ごめんなさい…」
お仕事頑張ります、ごめんなさい、ごめんなさいと呟く
「なんでそんなすぐ謝るの?」
「だって…迷惑だから、私なんて…」
「迷惑じゃないよ、俺達───俺がやりたくてやってるんだから」
「別に俺達でええよ」
ほとんど自分の駄々だったかと思い言い直す
「私…何も出来なくって…」
「そんなことないよ、最初の日だって犬捕まえてくれたじゃん」
「あれは
今までの生活環境のせいだろうか?思考を巡らせる
「あのさ。俺、いつもみんなにすごい助けられてるんだよね。早く何か返したいんだけど、まだ全然何にも返せないし、心配ばっかかけてる。思うように行かなくてめちゃくちゃ悔しくてさ」
黙りこくる
「でも…俺にも出来る事が、出来てる事があるって、それもみんなが教えてくれた。
「
「ねぇ
「え、ええこと言うやん…グスッ…」
「普通じゃない?泣くほど?」
「いや、
「するでしょそりゃ。鼻水拭いてよ」
一体なんなんだという表情で
「あ!笑った!
「変な顔て…酷ない…?ズビッ」
翌日以降、バーの手伝いを始めた
そんな日々が続いていたある日。
仕事帰り。いつもより退勤が遅くなってしまった
普段と同じ大通りを抜けようとして…やめた。手前の小道を曲がる。おそらくここを突っ切った方が早いのだ、これならグルッと街を回らなくても済む。
途中で
「
「ううん…1人だけど…」
「わかった、その道まっすぐ来て!俺近くにいるから迎えに行く!」
通話を切って、考え込む
もうすぐまた大通りに出るはず。そうしたら
ふと誰かの足音が聞こえた。
「え…あの…」
どうしましたか、と律儀に問いかけようとした
瞬間、頭上をなにかが通り過ぎて男の顔面にブチ当たる。──中身の詰まったゴミ袋だった。袋が破け、生ゴミを被った男が慌てる。
「こっち!!」
ゴミ袋を投げたらしき
「良かった、間に合って…。あの辺の道はさぁ…危ないから。通っちゃ、駄目だよ」
「ごめん…近道、かと、思って…」
「あっ
通話を終えた
「ごめんね
「え?知らなかったんだから仕方ないじゃん。それより
なんでもないトラブル───そう思えた。
また、新たな事件が起こるまでは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます