流行りとひとつ‘貸し’・後
和気藹々3
「って訳なんやけど。雇ってもらえんかな」
「首突っ込まねぇつってたのどこの誰だよ」
【宵城】最上階。事情を聞いた
「ほんと、いきなり来て
「だからこそいきなり来たんだよ」
「
まず若過ぎる。【宵城】で使うことは出来ない。
「つうかてめぇ、知り合ったヤツ全員助ける気か?犬猫拾うんじゃねーんだ、犬猫だって片っ端から拾えねぇだろ」
親近感がわいて同情心が芽生えたとはいえ、そんな境遇の人間は
「自分で責任持てねぇ事はすんじゃねぇよ」
ため息をつく
「だけど見捨てられないよ。もう友達だもん。俺に出来ることは少ないけど、手の届く相手には手を伸ばしたいよ」
「俺だって…そうやって助けられたから」
かつて自分がそうしてもらったように。
真っ直ぐな
「お前、
店が新しいキャストを雇う際、仕事用品を買い揃えたり身だしなみを整える為に支度金として現金を支給することがある。
「え、そんな、私お金を頂けるほどじゃ…」
「だったら後で返せよ。
「いや、そんな圧かけることないやん…」
「そうだよ。照れ屋なんだから
「お前から
言うが早いか、
一方、
もっと成長したい。自分達を
俯き拳を握る
「おい、
「!」
これは‘貸し’なのだ。ワガママをきいてもらった訳じゃない。つまり───対等に扱ってもらえているということ。少しだけでも認められた、そんな気がして
「あの、私、頑張って働いてお金返していきます…
「え?なんで?」
「だって
「じゃあ、たまにジュースとかおごってよ。俺お酒は飲まないからさ。
「そりゃお前が
どうせ高額なのを開けるなら酒にしろとボヤく
こうして、騒動はひとまず一件落着した。
────ように見えたが。
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