光輝燦然・下
五顏六色と謎の小袋
光輝燦然6
それから【酔蝶】のオーナーは店を畳み、
「ごめんね、聞いてもらっちゃって。
振り返った
「と、
「泣かないでよ、
えぐえぐと涙を流す
これで
長かった髪を数年前にバッサリ切ったのも、
「
「いや、助けられたのは俺の方だから。助けさせてくれて本当に助かった」
なんかわかりづらいね、と
けれど言わんとしている内容は伝わったので、
俺は
これまで
「あれっ
テイクの合間、小休憩を取ろうと裏手へ歩いてきた
「
「やだ、どうしたの」
振り返った
「
「あっ!はぁい!」
メイク係に呼ばれ、
それを確認すると
「本題なんだけど…
「
「うん。で、
「引退?どうやって…」
「‘マフィアとの繋がりを使って’みたい」
「あの品行方正を売りにしとる会社が?」
華やかな世界と裏社会との縁は切っても切れない物だ。そんな中でもブラックな事は全く無く、笑顔とハートで勝負します…等と売り出していた爽やかな
テレビにもたびたび出演していて、その信念を熱く語る姿勢は好感が持てたが。
「あの竹の足場のロープ…細工された跡があった。手を貸してる人間がいそうだね」
社長が直接工作をしに表に出てくることはまず無いはずだ、おそらく裏社会の繋がりへ‘
さすがに殺してくれなどといった最終手段ではなく、事故に見せ掛けた復帰出来ない程度の怪我でも頼んだのだろうというところ。
だとしても十二分に物騒ではあるけれど。
「ちょっと調べ物、頼まれてくれる?」
「任して下さい」
「何もなければいいと思ってたんだけど…」
ごめんね、最初に伝えておくべきだった。そう謝る
「なんも起こらんかったら話す必要なかったんやし。俺こそ立ち入った話聞いてもうて」
「そんなことないよ。俺も…」
「ちゃんと話さないとね。
自分に言い聞かせるように呟く。今はみんなが家族だからと、隠さず過去を語った
「別に話さなくてもいいと思う」
いつの間にか後ろで聞いていたらしい
「
話したくなったらでいいんじゃない?話さなくても過去がどうでも
その仕草に口元を押さえつつ、
撮影は順調に進み、夕方頃に終了し解散の声がかかる。香港へと帰っていく
事故に見せかけるにしろなんにしろ、やるなら無法地帯で治外法権‘九龍城砦’の方が都合がいいはずだ。香港に戻ればひとまず危険は回避できるだろう。
帰り際、3人は
撮影の方は、現時点ではまだ
無論明日以降の警護も継続。しばらくは昼も夜も忙しくなりそうだ。
そしてそれぞれ家路についたが、
「おかえりー、洗濯物あったら出しといて」
キッチンから
…
「あら、危機一髪だったのね」
「うん。でさ、何か朝にスッキリ目が覚めるようなお茶とか漢方ない?」
「それは違法」
「じゃないやつ」
夕飯中、
「なにこれ」
「
水やお湯に混ぜて飲んでもシャキッとしますよお客さん、と違法薬師はニヤリとする。急に危ない植物に思えてくる。
「
「表の?裏の?」
「両方の」
表の店先へと並べるのは特製ハーブ合法ミックス、裏の路地で流すのは特製ハーブ違法ミックス。
「ありがと。持ってく」
「まいど、これからもご贔屓に」
礼を言う
そういえば今日
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